気候変動対策への貢献
当社は、TCFDの提言に賛同し、気候変動に関連する情報開示に努めます。またマテリアリティ(重要課題)の一つとして「テクノロジーや事業を通じた気候変動への貢献」を設定し、IoTの活用による電力使用の効率化を進める他、再生可能エネルギーへのシフトや「自然でんき」の提供など気候変動に対し具体的な対策を行っています。
TCFD提言への対応

当社は2020年4月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)※1提言への賛同を表明いたしました。TCFDの提言に基づき、ガバナンスを強化し、積極的な情報開示とその充実に努めていきます。
- [注]
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- ※1Task Force on Climate-related Financial Disclosures:2015年に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動が事業に与えるリスクと機会の財務的影響に関する情報開示を企業に推奨する国際的イニシアチブ。
- ※1
ガバナンス
取締役会の諮問機関としてSDGs推進委員会を2020年3月に設置しました。代表取締役社長が最高SDGs推進責任者に就任し、気候変動に関わる戦略などサステナビリティ活動全体の責任を担います。
戦略
気候変動により将来予測される事象に適応する戦略を勘案するためにシナリオ分析を実施し、バリューチェーン上流下流を含む事業に与える財務影響が特に大きい2050年までに発生が予見されるリスクを特定し、それに対する2つのシナリオを検討しました。
参照した外部シナリオは下記の通りです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第5次評価報告書 |
RCP2.6 / RCP8.5 |
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IEA(国際エネルギー機関) Energy Technology Perspectives 2017 |
B2DS |
IEA(国際エネルギー機関) World Energy Outlook 2018 |
SDS |
平均気温4℃上昇シナリオ
気候変動対策の強化をはじめとする政策・法規制の強化や、技術、市場、評判などの移行リスクは顕在化しない一方、異常気象の激甚化等の気候変動の物理的な影響が生じると仮定しました。例えば、令和2年7月豪雨クラスの災害の場合、約3.3億円復旧費用を投じました。なお、当社は携帯電話基地局を全国に約23万カ所稼働しています。例年の災害被害に対する復旧費用等の財務影響に関する分析に基づき予算を確保し迅速に対応できるよう備えています。
シナリオ | 自然災害のさらなる多発と甚大化 | 猛暑日の増加 |
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特定したリスク | 設備被災増加・甚大化による、復旧コスト増 | 空調電力コスト増 |
検討した取り組み |
防災・減災への取り組み強化
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省エネへの取り組み強化
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リスク発生までの期間 | 長期 | 長期 |
平均気温1.5~2℃上昇シナリオ
事業に影響を与えるレベルの気候変動による急性あるいは慢性的な物理リスクは生じない一方、気候変動対策の政策・法規制が強化されると仮定し、2025年からCO2換算1t当たり6,000~14,000円程度の炭素税が課された場合、2035年までの累計で175~407億円の影響額があると試算しました。
シナリオ | 脱炭素規制の強化 | 環境意識の高まり | |
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特定したリスク | 炭素税導入による税負担増 | 再エネシフトによる電力コスト増 | 環境への取り組み不十分となった場合のレピュテーションリスクによる顧客離れ |
検討した取り組み | 基地局電力の再エネ化・カーボンニュートラル達成(2030年度まで) |
省エネへの取り組み強化
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CO2削減への取り組みと情報発信
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リスク発生までの期間 | 中期 | 短期 | 短期 |