中期的な成長と、
株主還元の両方を重視します。

ソフトバンクの強み

日本における圧倒的な事業基盤

ソフトバンク株式会社グループは、モバイルサービスやブロードバンドサービスに加え、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」、日本最大級のキャッシュレス決済サービス「PayPay」、日本最大級のコミュニケーションサービス「LINE」を運営しています。通信、eコマース、決済、SNSといった多様な分野で、日本最大級のユーザー基盤を有することは、ビジネスを行う上で大きな強みとなっています。さらに当社は、通信事業で培った営業力や技術力、全国に張り巡らせた通信ネットワーク、店舗網など、強力な事業基盤を多数有しています。当社グループが持つこれらの強みは、デジタル化が加速する社会において、さらに重要度を増していくと考えられます。

   
ユーザー基盤※1 ・携帯電話サービスの約4,000万ユーザー
・「Yahoo! JAPAN」の約8,500万ユーザー
・「PayPay」の5,800万ユーザー以上
・「LINE」の約9,500万ユーザー
営業力※2 ・グループ営業数:約15,000人
・ソフトバンク・ワイモバイルショップ数:約6,500店舗
・国内の大企業の約93%と取引
技術力※3 ・グループエンジニア数:約13,000人

ソフトバンクグループ内での協働

ソフトバンクグループ(ソフトバンクグループ株式会社および同社の子会社)の一員である当社は、親会社などの投資先である世界的ユニコーン企業との協働により、初期投資を抑えながら、最先端のテクノロジーやビジネスモデルを導入することが可能です。
中でも、キャッシュレス決済サービス「PayPay」は、ソフトバンクグループ内での協働によって生まれた代表的なビジネスです。当社とヤフー株式会社が共同で立ち上げ、親会社が出資するファンドの投資先である世界的なキャッシュレス決済事業者Paytm社からの技術支援を受けて2018年にサービスを開始した「PayPay」は現在、日本のスマートフォンユーザーの2人に1人以上が利用する決済サービス※4として圧倒的なポジションを確立しています。

強固なキャッシュ・フロー創出能力

当社は事業の成長に伴い、潤沢なキャッシュ・フローを創出してきました。当社の調整後フリー・キャッシュ・フロー※5は、上場子会社であるZホールディングス株式会社(現 LINEヤフー株式会社)、PayPay株式会社などの創出分を除いても、継続して5,000億円を超える水準を維持しています。これにより、将来の成長のための投資と株主の皆さまへの還元を行うことが可能となっています。

調整後フリー・キャッシュ・フロー

成長戦略

Beyondビヨンド Carrierキャリア」戦略

当社グループは、2017年度より「Beyond Carrier」を成長戦略と定めています。これは、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

Beyond Carrier
経営方針・戦略

業績

2022年度 連結業績

2021年度※8 2022年度 増減額
(前年比)
増減率
(前年比)
売上高 5兆6,906億円 5兆9,120億円 +2,214億円 +4%
調整後EBITDA※6 1兆7,418億円 1兆5,664億円 -1,754億円 -10%
営業利益 9,656億円 1兆602億円 +946億円 +10%
純利益※7 5,171億円 5,314億円 +143億円 +3%

2022年度の売上高は全セグメントで増収となり、前年比2,214億円増の5兆9,120億円となりました。ディストリビューション事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより895億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社の子会社化などにより748億円、メディア・EC事業はコマース売上の増収に加えLINE株式会社のアカウント広告やヤフー株式会社の検索広告の売上の増加などにより402億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより346億円、コンシューマ事業が4億円、それぞれ増収となりました。コンシューマ事業の増収は、物販等売上の減少や通信料の値下げの影響などによりモバイル売上が減少した一方で、電力市場での取引量の増加および価格の上昇などによりでんき売上が増加したことによるものです。
2022年度の営業利益は、前年比946億円増の1兆602億円となりました。これは主として、PayPay株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益2,948億円を計上したこと、およびエンタープライズ事業において66億円増益したことによるものです。一方で、コンシューマ事業は通信料の値下げの影響などにより1,770億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社の子会社化などにより268億円、それぞれ減益となりました。
2022年度の純利益※7は、前年比143億円増の5,314億円となりました。これは主として、金融費用が増加し、また持分法による投資の減損損失を計上したものの、PayPay株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益の計上などで営業利益および税引前利益が増加したこと、さらに通信料の値下げの影響などによる課税所得の減少に伴い法人所得税が減少したことによるものです。

財務目標

2022年度
実績
2023年度
予想
増減額
(前年比)
増減率
(前年比)
売上高 5兆9,120億円 6兆600億円 +1,480億円 +3%
営業利益 1兆602億円 8,400億円 -2,202億円 -21%
営業利益
(PayPay再測定益除く)
7,653億円 8,400億円 +747億円 +10%
純利益※7 5,314億円 4,620億円 -694億円 -13%
純利益※7
(PayPay再測定益除く)
3,361億円 4,620億円 +1,259億円 +37%
(参考)
調整後EBITDA※6
1兆5,664億円 1兆6,100億円 +436億円 +3%

2023年度連結業績予想の売上高は、コンシューマ事業が通信料の値下げの影響を受ける一方で、エンタープライズ事業、メディア・EC事業、ファイナンス事業の成長により、引き続き増収を見込んでいます。営業利益および純利益について、2022年度に計上したPayPay株式会社の子会社化に伴う段階取得に係る差益の剥落により、減益を見込んでいます。一方、エンタープライズ事業、ディストリビューション事業、メディア・EC事業のセグメント利益における前期比10%以上の成長により、PayPay株式会社の子会社化に伴う段階取得に係る差益を除いた営業利益ベースでは増益を見込んでいます。
なお、2024年2月に、売上高を6兆円から6兆600億円へ、営業利益を7,800億円から8,400億円へ、親会社の所有者に帰属する純利益を4,200億円から4,620億円へと、通期予想を上方修正しました。

財務情報ハイライト 業績予想

株主還元

中長期的な成長と株主還元の両方を重視

当社は、中長期的に企業価値を高めるとともに株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。
株主還元は、昨年度までに引き続き、業績動向、財政状態、キャッシュ・フローの状況などを総合的に勘案して安定性、継続性に配慮しながら実施していく方針の下、2023年度の1株当たり配当金は年間で86円(うち中間配当金43円)を予定しています。
今後も企業価値の向上に努め、株主の皆さまへ安定的な利益還元を行うことを目指します。

株主還元

株主還元・配当

[注]

※1携帯電話サービス:主要回線累計契約数(2023年3月時点)、「Yahoo! JAPAN」:月間利用者数(2022年1月~10月の月平均利用者数)、「PayPay」:登録ユーザー数(2023年6月時点)、「LINE」:月間アクティブユーザー数(MAU)(日本)(2023年3月時点)

※2グループ営業数:当社の営業社員(2023年3月時点)、国内の大企業:売上高1,000億円以上の上場企業のうち、2022年度に当社と取引を行った企業の割合

※3グループエンジニア数:ソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)、LINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)のエンジニア社員の合計(2023年3月時点)

※4出所:2022年1月21日のプレスリリース(PayPay株式会社)

※5調整後フリー・キャッシュ・フロー=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)。Aホールディングス株式会社ならびにLINEヤフー株式会社および同社の子会社、Bホールディングス株式会社、PayPay株式会社、PayPayカード株式会社のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス株式会社からの受取配当を含む。

※6調整後EBITDA=営業利益+減価償却費および償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目

※7純利益:親会社の所有者に帰属する純利益(ソフトバンク株式会社の株主に帰属する純利益)

※8共通支配下の取引に係る会計方針の変更に伴い、2021年度実績を遡及修正。

2023年度より、セグメントの名称を一部見直し、「コンシューマ」、「法人」、「流通」、「ヤフー・LINE」、「金融」から「コンシューマ」、「エンタープライズ」、「ディストリビューション」、「メディア・EC」、「ファイナンス」へ変更しています。なお、この変更はセグメント名称のみを変更するものであり、セグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。