業績分析(通期)

連結業績

売上高

  • 2022年度の売上高は全セグメントで増収となり、前期比2,214億円(3.9%)増の5兆9,120億円となりました。ディストリビューション事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより895億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社の子会社化などにより748億円、メディア・EC事業はコマース売上の増収に加えLINE株式会社のアカウント広告やヤフー株式会社の検索広告の売上の増加などにより402億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより346億円、コンシューマ事業が4億円、それぞれ増収となりました。コンシューマ事業の増収は、物販等売上の減少や通信料の値下げの影響などによりモバイル売上が減少した一方で、電力市場での取引量の増加および価格の上昇などによりでんき売上が増加したことによるものです。

営業利益

  • 2022年度の営業利益は、前期比946億円(9.8%)増の1兆602億円となりました。これは主として、PayPay株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益2,948億円を計上したこと、およびエンタープライズ事業において66億円増益したことによるものです。一方で、コンシューマ事業は通信料の値下げの影響などにより1,770億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社の子会社化などにより268億円、それぞれ減益となりました。

親会社の所有者に帰属する純利益

  • 2022年度の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比143億円(2.8%)増の5,314億円となりました。これは主として、金融費用が増加し、また持分法による投資の減損損失を計上したものの、PayPay株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益の計上などで営業利益および税引前利益が増加したこと、さらに通信料の値下げの影響などによる課税所得の減少に伴い法人所得税が減少したことによるものです。なお、非支配持分に帰属する純利益の増加は、主として、Zホールディングスグループ(Zホールディングス株式会社および子会社)(現 LINEヤフーグループ、LINEヤフー株式会社および子会社)においてもPayPay株式会社の子会社化に伴う段階取得に係る差益1,474億円を計上したことによるものです。

調整後フリー・キャッシュ・フロー※1

  • 2022年度の調整後フリー・キャッシュ・フローは、1兆206億円の収入となりました。前期比では6,685億円増加しましたが、これは営業活動によるキャッシュ・フローが前期比で602億円収入が減少したことおよび割賦債権の流動化による収入が減少した一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが前期比で8,029億円支出が減少したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローの収入の減少は、主として、営業債権・債務などの必要運転資本、および法人所得税の支払額が減少したものの、調整後EBITDAや銀行事業の預金に係る収入が減少し、さらに銀行事業の貸付に係る支出が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の減少は、主として、当期において、PayPay株式会社を子会社化した際の現金及び現金同等物残高の受け入れに伴う収入が3,973億円あったこと、前期において、ヤフー株式会社が締結したライセンス契約に伴い商標権などを1,785億円で取得したことや、LINE株式会社(現 Aホールディングス株式会社)株式の併合による単元未満株式買い取り1,152億円などの支出があったことによるものです。

[注]
  1. ※1
    フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
    調整後フリー・キャッシュ・フロー=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)
  2. ※2
    LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス株式会社からの受取配当を含みます。なお、PayPay等にはAホールディングス株式会社、Bホールディングス株式会社、PayPay株式会社、PayPayカード株式会社を含みます。
  3. 2022年度Q3より、共通支配下の取引について、簿価引継法から取得法に基づいて会計処理する方法へと変更しました。これに伴い、2021年度の数値を遡及修正しています。

セグメント別業績

セグメント別業績
セグメント別業績

コンシューマ事業

  • 売上高

  • セグメント利益

コンシューマ事業の売上高は、前期比4億円(0.0%)増の2兆8,831億円となりました。モバイルは前期比945億円(5.9%)減少しました。これは、スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方で、通信料の値下げにより平均単価が減少したこと、および売上から控除される顧客獲得施策の影響などによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「SoftBank」ブランド・「Y!mobile」ブランドにおける新料金プラン導入の影響、および「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行が進んだことによるものです。ブロードバンドは、前期比78億円(1.9%)減少しました。これは、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加した一方で、キャンペーン施策により平均単価が減少したことなどによるものです。でんきは、前期比1,539億円(64.4%)増加しました。これは主として、電力市場での取引量の増加および価格の上昇などによるものです。物販等売上は、前期比511億円(8.1%)減少しました。これは、機種変更数の減少に伴い端末販売台数が減少したことなどによるものです。

営業費用※3は2兆4,207億円となり、前期比で1,774億円(7.9%)増加しました。これは主として、上記の端末販売台数の減少に伴い商品原価が減少した一方で、でんきに係る仕入原価が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比1,770億円(27.7%)減の4,624億円となりました。

[注]
  1. ※3
    営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。

エンタープライズ事業

  • 売上高

  • セグメント利益

エンタープライズ事業の売上高は、前期比346億円(4.8%)増の7,503億円となりました。そのうち、モバイルは前期比68億円(2.2%)増の3,200億円、固定は前期比46億円(2.5%)減の1,821億円、ソリューション等は前期比325億円(15.0%)増の2,482億円となりました。モバイル売上の増加は、主として、通信売上の増加によるものです。固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスおよびセキュリティソリューションの売上が増加したことなどによるものです。

営業費用は6,152億円となり、前期比で280億円(4.8%)増加しました。これは主として、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことによる営業費用の減少があった一方で、上記ソリューション等の売上の増加に伴い原価が増加したこと、訴訟に係る引当金を計上したことや、前期において一時的な費用の戻し入れがあったことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比66億円(5.2%)増の1,351億円となりました。

ディストリビューション事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ディストリビューション事業の売上高は、前期比895億円(17.9%)増の5,900億円となりました。これは主として、ICT(情報通信技術)関連の商材および注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。

営業費用は5,658億円となり、前期比で881億円(18.4%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比14億円(6.0%)増の243億円となりました。

メディア・EC事業※4

  • 売上高※5

  • セグメント利益

メディア・EC事業の売上高は、前期比402億円(2.6%)増の1兆5,617億円となりました。そのうち、メディアは前期比5億円(0.1%)減の6,339億円、コマースは前期比255億円(3.2%)増の8,346億円、戦略は前期比155億円(24.5%)増の785億円、その他は前期比2億円(1.5%)減の146億円となりました。メディア売上は前期比で微減ですが、主として、「LINE公式アカウント」における大手顧客の配信メッセージ数増加や、中小加盟店の有償アカウント数増加によりアカウント広告の売上が増加したことや、ヤフー株式会社の検索広告の売上が増加したものの、ディスプレイ広告が市況悪化の影響などを受け減収となったことによるものです。コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル株式会社および子会社)やZOZOグループ(株式会社ZOZOおよび子会社)における取扱高の増加や、経済活動の再開に伴い旅行関連の売上が増加したことによるものです。戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。

営業費用は1兆4,019億円となり、前期比で399億円(2.9%)増加しました。これは主として、アスクルグループおよびLINEグループ(LINE株式会社および子会社)の売上原価の増加やLINEグループにおける人員増加に伴う人件費の増加などによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比3億円(0.2%)増の1,597億円となりました。

[注]
  1. ※4
    当社は、2022年度Q3より、共通支配下の取引について、簿価引継法から取得法に基づいて会計処理する方法へと変更しました。また、報告セグメントに「金融」(現「ファイナンス」)を追加したことに伴い、各報告セグメントを構成する会社を見直しました。これらに伴い、メディア・EC事業の2021年度の数値を遡及修正しています。
  2. ※5
    Zホールディングスグループ(現 LINEヤフーグループ)では、2022年度において事業の管理区分を見直し、一部のサービスについて区分を移管しました。これに伴い、2021年度のメディア・EC事業の売上高のうち、「メディア」、「戦略」および「その他」の内訳を修正再表示しています。

ファイナンス事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ファイナンス事業の売上高は、前期比748億円(110.8%)増の1,423億円となりました。これは主として、2022年10月1日付でPayPay株式会社を子会社化したことによるものです。

営業費用は1,547億円となり、前期比で1,016億円(191.3%)増加しました。これは主として、上記PayPay株式会社の子会社化の影響によるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比268億円減の-124億円となりました。

[注]
  1. 2023年10月1日付で、Zホールディングス株式会社は同社を存続会社として、同社ならびにLINE株式会社およびヤフー株式会社を中心としたグループ内再編を完了し、社名(商号)をZホールディングス株式会社からLINEヤフー株式会社に変更しました。
  2. 2023年度より、セグメントの名称を一部見直し、「コンシューマ」、「法人」、「流通」、「ヤフー・LINE」、「金融」から「コンシューマ」、「エンタープライズ」、「ディストリビューション」、「メディア・EC」、「ファイナンス」へ変更しています。なお、この変更はセグメント名称のみを変更するものであり、セグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。

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