実効性のあるガバナンスと、
スピード感のある経営を両立し企業価値を最大化
Q. 親子上場について、少数株主保護や利益相反の観点からどのような点に留意されていますか。
親会社であるソフトバンクグループ(株)との関係は、当社に米OpenAIとのパートナーシップをはじめとする戦略的機会をもたらしています。一方で、親子ともに上場していることにより、ソフトバンクグループ(株)との取引を実施する際には、当社の少数株主保護に資するガバナンスの徹底、具体的には利益相反に特に留意しています。ソフトバンクグループ(株)が関与する案件では、ソフトバンクの成長やリスクという観点から契約条件等を交渉する必要があります。また、特に米OpenAIに関する案件については、利益相反だけでなく、AIのようにビジネスモデルが確立されていない領域においても、リスクとリターンの関係を慎重に検討し、ソフトバンクの企業価値最大化のために最善の判断を行う必要があると考えています。
LINEヤフー(株)との関係においては、当社が親会社となりますが、LINEヤフー(株)として自らの少数株主に対して果たすべき責任があるため、そこへの配慮が必要です。私が社外取締役に就任してからも、同社の情報セキュリティ問題で、株主のみならずお客さまにご心配をおかけすることがありました。この点について、親会社としてグループ会社のセキュリティ確保・強化に対する責任があると考えています。また、ビジネス面ではAIへの取り組みなど、一緒に進められることは進めていくのがよいと考えています。
当社では、親会社との取引やM&Aなど、利益相反が想定される重要案件を社外取締役のみで審議する場として特別委員会を設置していました。2024年6月より社外取締役が取締役会の過半数を占めたことから、コーポレートガバナンス・コードに基づきこの機能は取締役会で十分に果たせると判断し、特別委員会を廃止しました。しかし、私は、独立社外取締役のみで少数株主の利益について検討する場は非常に重要だと考えていたため、そのような独立した場の維持を提案しました。そして、その結果として「独立社外取締役会議」が新設されました。この会議は、実質的に特別委員会の役割を引き継ぐものであり、社外取締役によるガバナンス機能を一層強化する仕組みとなっています。
2025年8月
ソフトバンク(株) 社外取締役
三浦法律事務所 パートナー弁護士
OnBoard(株) 代表取締役CEO
越 直美