体制

コーポレート・ガバナンス体制

当社は、長期的な企業価値の向上を実現するための経営の舵取り役となる、重要事項の意思決定機関および業務執行状況の監督機関として取締役会を設置しております。現在、取締役会は社外取締役6名を含め11名の取締役で構成されており、取締役会における意思決定は、事前に提供された適切な情報をもとに、十分な議論を経た上で行われています。また、当社は、取締役の職務の執行状況について効率的で実効性のある監査を行うため、監査役会を設置しています。監査役会は、社外監査役2名を含め4名の監査役で構成され、監査の方針・監査計画・監査の方法を策定し、監査役はこれらの方針等に従い監査活動を実施しています。
さらに、取締役会の経営監督機能の明確化と業務執行機能の強化、経営の迅速化を確保するため、執行役員制度を導入しています。

当社のコーポレート・ガバナンス体制は、以下のとおりです。

コーポレート・ガバナンス体制
早見表

(2025年6月26日現在)
機関設計 監査役会設置会社
取締役の人数 11名(うち、独立社外取締役6名)
監査役の人数 4名(うち、独立社外監査役2名)
取締役会議長 宮川 潤一(代表取締役社長 兼 CEO)
執行役員制度の採用
取締役会の任意諮問委員会 指名委員会および報酬委員会
ESG推進委員会
役員報酬体系

①基本報酬:役職別に年額を定め、毎月現金で定額を支給

②短期業績連動報酬:役職別に定める基準額に対し、当期業績等の目標達成度に応じた支給率を乗じて株式報酬として支給(譲渡制限付株式)

③中期業績連動報酬:役職別に定める基準額に対し、過去3か年の当社TSRの状況に応じた支給率を乗じて3か年ごとに株式報酬として支給(譲渡制限付株式)

[注]
  • 社外取締役には基本報酬(現金報酬)と株式報酬を支給

コーポレート・ガバナンス体制図

(2025年6月26日現在)
コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

当社は、長期的な企業価値の向上を実現するための経営の舵取り役となる、重要事項の意思決定機関および業務執行状況の監督機関として取締役会を設置しています。当社は、定款で取締役を15名以内と定めており、その任期は、選任後1年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとしています。また、取締役会は指名委員会の議論を踏まえ、国籍、人種、性別、年齢等を考慮し、取締役に最適と思われる人材を取締役候補者として選定しています。
2025年6月現在、取締役会は独立社外取締役6名を含め11名の取締役で構成されており、社外からの視点も含め多角的な視点から建設的で活発な議論が行われています。さらに当社は、取締役会の経営監督機能の明確化と業務執行機能の強化、経営の迅速化を確保するため、執行役員制度を導入しています。

取締役会 構成/取締役会 開催回数

議論された主な事項(2024年度)

  • 経営管理に関する事項
  • 財務に関する事項
  • AIデータセンターの構築に向けた土地や建物の取得に関する事項
  • 国際海底ケーブルの建設に関する事項
  • 業績および事業KPIの実績と見通しに関する事項
  • 関係会社に関する事項
  • リスク管理に関する事項

社外役員のサポート体制

当社は、社外役員が経営への監督機能を最大限発揮し、取締役会の実効性を向上させるとともに、経営全般に関する助言ができるよう、社内役員と社外役員とのコミュニケーション強化・情報共有などの取り組みに注力しています。

社外役員への事前説明会

毎回の取締役会に先立ち、社外取締役、監査役に対して事前説明会を実施しています。いずれの事前説明会にもCFO等が同席し、取締役会に上程される議案などについて、担当部門より詳細な説明を行い、質疑応答を通じて付議内容の理解を深められるよう努めています。また当該説明会において、社外取締役より課題の提示を受けた場合には、担当部門において当該課題をクリアにした上で取締役会に臨んでいます。

各種会合

取締役会によるモニタリングを効果的なものとするため、取締役会以外の場でも、社外役員がモニタリングに必要な情報を取得・共有できるよう、年間を通じてさまざまな取り組みを実施しています。

開催実績(2024年度)
  • 取締役会事前説明会(12回)
  • 業務執行取締役と社外取締役 意見交換会(1回)
  • 取締役、監査役と業務執行責任者 ディスカッション(10回)
  • 社外取締役・監査役 情報交換会(2回)
  • 社外取締役・会計監査人 ディスカッション(1回)
  • 社外取締役 定期懇談会(4回)

取締役会の実効性評価

当社取締役会は、さらなる実効性確保および機能向上に取り組むため、毎年、取締役会の実効性について分析・評価を行うこととしています。2024年度の当社取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は、以下のとおりです。

実施概要

(1)対象者 社内取締役(5名)、社外取締役(6名)、監査役(4名)
(2)実施方法 アンケート(記名式)、インタビューまたはその両方
(3)実施期間 2024年12月~2025年6月

評価プロセス

評価プロセス

2024年度アンケート設問の大項目は以下のとおりです。設問ごとに5段階で評価する方式とし、各項目に自由コメント欄を設けています。

  1. 戦略とその実行
  2. リスクと危機管理
  3. 企業倫理
  4. 事業再編(合併、買収、売却または事業提携)取引
  5. グループガバナンス
  6. 経営陣の評価、報酬および後継者計画
  7. ステークホルダーとの対話
  8. 取締役会の構成と運用

2023年度に抽出された課題への
2024年度の取り組み状況

課題 取り組み内容・結果
2023年度
  • 中長期戦略
  • 中長期的な企業価値の向上に向けては、グループ横断的な戦略の整合と財務戦略との連携が不可欠であり、グループ全体のシナジーを意識した戦略的議論の継続が必要との意見をふまえ、各事業およびグループ全体戦略を継続的に議論しました。
  • また、投資の事後評価については、投資後の管理指標や撤退時の判断に必要な情報をより整理することにより、取締役会での監督機能を強化すべきとの意見を踏まえ、投資時の計画と実績の比較や、必要な対策について、四半期毎に確認しました。
  • 2024年度のインタビューでは以下の意見等がありました。
    • 取締役会や戦略討議、懇談会にて、深度ある議論が闊達に行われるようになっている。
    • ファイナンス事業において再編が進められている。
    • 投資後の各社進捗については、定量的に管理され、取締役会で報告・議論されている。
  • 次世代人材戦略
  • 次世代のビジネスをリードする人材を確保するためには、最先端の技術知見を持つ高度人材の採用・育成とあわせて、人的資本への継続的な投資や組織としての多様性確保が必要との意見を踏まえ、次世代中核人材の確保に向けた議論を深めました。
  • また、グループ全体の持続的成長を担うリーダー人材の早期発掘・育成が必要との意見を踏まえ、後継者計画の進捗状況や具体的アクションプランについて、継続的に確認・議論を行いました。
  • 2024年度のインタビューでは以下の意見等がありました。
    • 各事業でのサクセッションプランが整備され、懇談会にて進捗の確認・議論がなされている。
  • グループガバナンス・リスク管理
  • グループガバナンス・リスク管理については、グループ全体の持続的成長と信頼性確保の観点から、取締役会において継続的に監督すべきとの意見を踏まえ、資本関係の在り方に関する議論を行い、情報漏洩問題への対応状況を確認しました。
  • また、昨今の地政学的リスクや経済安全保障など、従来とは異なる新たなリスクが顕在化しつつある中で、こうした変化を踏まえたリスク認識のアップデートと情報整理が必要との意見を踏まえ、経済安全保障や AI データガバナンスなどの新しいリスクテーマについて議論しました。
  • 2024年度のインタビューでは以下の意見等がありました。
    • 重要リスクは十分高いレベルで管理できている。
    • 多数の子会社について、適切に整理/報告されている。

今後の重点対策課題

課題 アクションプラン
2024年度
  • 中長期戦略
  • 2024年度の意見
    • AI戦略を軸としたグループ全体としての次期中期経営計画の策定が必要。
  • 取り組み
    • 次期中期経営計画の策定に向けて、グループ全体の成長戦略の議論を深める。
  • 次世代人材戦略
  • 2024年度の意見
    • 経営幹部層の後継者計画や専門人材の確保方針に関する議論の深化と、グループ全体での人材構成の最適化検討が必要。
  • 取り組み
    • 経営幹部層の育成方針や次期中期経営計画に即したグループ人材戦略について、継続的に議論する。
  • グループガバナンス・リスク管理
  • 2024年度の意見
    • グループ全体のガバナンスおよびリスク管理の実効性に関する議論の深化と、時代の変化をふまえたリスクへの対策が必要。
  • 取り組み
    • グループ全体の連携の在り方と、サイバー攻撃リスクの高まりや世界情勢などの外部環境の変化を踏まえた対応方針について、継続的に議論する。

過年度の抽出された課題と
取り組み状況

支配株主との取引への対応

当社では、親会社グループとの取引を含めた関連当事者取引は、関連当事者としての有利な立場を利用して会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことがある取引であると認識しています。そのため、当社は関連当事者取引等の実施に当たっては、「関連当事者規程」および「関連当事者取引管理マニュアル」に基づき、その取引が当社グループの経営上合理的なものであるか、また取引条件がほかの外部取引と比較して適正であるかに特に留意して、重要な取引については、都度取締役会の承認により行う方針です。その中でも、特に重要な取引については、独立社外取締役のみで構成される「独立社外取締役会議」を実施する体制としています。「独立社外取締役会議」では、取締役会における少数株主の利益保護の観点を含む議論の一層の活性化を目的として、旧特別委員会同様、少数株主の利益保護の観点から事前検討を行います。また、重要な取引に該当しない関連当事者取引についても、原則として年1回、財務経理本部は、当該取引の総額および内容をモニタリングすることとしています。
加えて、取締役の競業取引、取締役と会社間の取引については、「取締役会規則」にて決議事項として定め、取引ごとに取締役会の承認により行い、その取引結果について取締役会に報告することとしています。

指名委員会・報酬委員会

当社は、取締役会の諮問機関として任意の指名委員会および報酬委員会を設置しています。
両委員会は、2025年6月末時点で、CEOおよび独立社外取締役4名で構成され、委員長を独立社外取締役が務め、独立性を確保しています。指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任、解任および代表取締役の指名に関する提言内容につき、報酬委員会は、取締役の報酬に関する提言内容につき、それぞれ審議の上、提言内容を決定しています。

指名委員会・報酬委員会 構成

議論された主な事項(2024年6月~2025年5月)

指名委員会
取締役の体制、取締役の選任、代表取締役の指名、取締役のスキルマトリックス

報酬委員会
役職別報酬、業績連動指標、開示書類、個別報酬額

監査役会

当社は、取締役の職務の執行状況について効率的で実効性のある監査を行うため、監査役会を設置しています。監査役会は、社外監査役2名を含む4名の専門的で豊富な知識・経験をもつ監査役で構成されています。
監査役会は、原則月1回開催しています。監査役会は、取締役、業務執行、子会社、内部監査、会計監査の5つの領域についてのリスクや課題を検討し、年間の活動計画を定め、監査活動を通じて認識した事項について取締役や執行部門に申し入れや提言を行っています。

内部監査

内部監査室は、社長直下の独立した組織として設置され、「経営に資する監査」の理念の下、「経営目標達成と価値向上」の目標を掲げ、リスクベースの年度監査計画を策定し、当社の業務全般を対象に内部監査を実施しているほか、関係会社(主に連結子会社対象)に対して全社的な内部統制監査を実施しています。
年度監査計画は、毎年取締役会の決議事項として上程しており、その策定プロセスは、代表取締役とマネジメント層(取締役/社外取締役/統括/執行役員/本部長等)が認識している全社リスクの視点を取り入れるだけでなく、監査役、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)の意見等も考慮しつつ進めています。
また、半期経過時点(上期末)で、再びマネジメントインタビューを実施し、年度監査計画の見直し(ロールオーバー)を図ることで、当社を取り巻く経営・事業環境、リスクの変化に即した内部監査の充実に努めています。

監査役、会計監査人、
内部監査部門の連携状況

監査役と会計監査人との連携状況 監査役は、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)から監査方針・監査計画について説明を受け意見交換を行います。期中・期末の監査(四半期レビューを含む)につき、監査重点項目、監査方法および結果について報告を受けています。
また、常勤監査役は毎月、情報・意見交換を行うほか、会計監査人の往査に同行し監査に立ち会う等、会計監査人との連携保持を図っています。
監査役と内部監査部門の連携状況 監査役は、当社内部監査室、内部統制部と定期的に情報交換の場を持ち、必要に応じ調査依頼をする等、有機的連携を図っています。
特に、内部監査室とは、常勤監査役が出席する定例会を開催するなど、毎月、内部監査計画の進捗確認、意見交換などを行っています。
加えて、内部監査室長は監査役会に半期に一度、内部監査計画・実績等を報告するとともに代表取締役宛の監査結果報告については都度、資料の共有を図り適宜説明を行っています。
会計監査人と内部監査部門の連携状況 会計監査人は、内部監査室から監査計画について説明を受けているほか、必要に応じて内部監査の結果等についても説明を受けています。
内部監査室は、会計監査人から監査結果等について定期的に説明を受けています。
このほかにも両者は必要に応じて情報・意見交換を行う等して、連携を図っています。

政策保有目的株式に係る保有方針および議決権行使基準

当社は、持続的に企業価値を向上させるため、業務提携や事業シナジーを見込める等、純投資以外の経営戦略上の重要な目的がある場合、いわゆる「政策保有株式」を保有することがあります。当社における政策保有株式の保有目的は、事業展開または業務運営における優位性の確保やシナジーの創出、人材・技術の確保・コスト削減等の効果の享受です。毎年、目的に応じた保有であることの検証を行い、保有目的の希薄化および経済合理性がない状況のどちらかまたはその双方が認められる株式については株価や市場動向を勘案の上、適宜処分を行います。
検証方法として、当社では、毎年個社別に、保有目的に応じた業務提携、取引関係の継続確認や、経済合理性の観点で、政策保有株式の出資額に対して発行会社が当社利益に寄与した金額の割合の算出を行っています。保有意義が希薄化した場合や上記利益に寄与した金額の割合が当社の単体3年平均ROAの50%を下回る場合には、売却検討対象とします。また、簿価から30%以上時価が下落した銘柄および、ガバナンスの観点から不祥事への対処も精査した上で検討します。その上で、政策保有株式の保有の適否に関して、取締役会に報告しています。
政策保有株式の議決権行使については、持続的な企業活動の向上に資するかどうかを総合的に検討した上で、適切に対応しています。

株式の保有状況

銘柄数 当事業年度(2025年3月31日)
貸借対照表計上額の合計額(百万円)
非上場株式 49 10,575
非上場株式以外の株式 9 15,041

特定投資株式

銘柄 当事業年度
(2025年3月31日)
前事業年度
(2024年3月31日)
保有目的・定量的な保有の効果
相手方の保有の有無
株式数増加の理由
株式数(株) 株式数(株)
貸借対照表計上額
(百万円)
貸借対照表計上額
(百万円)
(株)ヤマダホールディングス 24,200,000 24,200,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
10,423 10,677
(株)ベルパーク 715,500 715,500 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有しています。
1,180 1,222
九州旅客鉄道(株) 276,100 276,100 当社のエンタープライズ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
1,008 978
オープングループ(株) 2,300,000 2,300,000 当社のエンタープライズ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
660 656
上新電機(株) 300,000 300,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
640 698
(株)プラザホールディングス 270,000 270,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
479 615
(株)ビックカメラ 230,000 230,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
360 295
(株)サカイホールディングス 450,000 450,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有しています。
201 231
(株)トーシンホールディングス 144,000 144,000 当社のコンシューマ事業の円滑な業務運営を図る目的であり、円滑な業務運営が実現されたことにより取引金額が当初期待された金額を超過しており、出資時点の効果を有しています。
発行会社は当社株式を保有していません。
91 104
(株)ベクターホールディングス 928,900 当社との取引関係強化によるシナジー効果を享受する目的です。しかしながら、保有目的の希薄化が認められたため2024年11月に売却済みです。
発行会社は当社株式を保有していません。
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