キャリア開発・能力発揮
従業員一人一人の
自律的なキャリア開発を支援
従業員の多様性を尊重し、
個性豊かな人材の育成を目指す
経営理念の実現に貢献する人材の育成を目的として、グループの持続的成長の源泉となる多様性を尊重し、個性豊かな人材の育成を目指す「ソフトバンクユニバーシティ(SBU)」を2010年9月に設立しています。
「ソフトバンクユニバーシティ」では、会社主導の一律的なキャリア開発や研修体系でなく、従業員が自己のキャリア目標に合わせて主体的に選択していく自律的なキャリア開発の仕組みを整えています。
また、集合研修のほか、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのマルチデバイスで受講できるeラーニングや、オンラインでの双方向性をもったリアルタイム研修、さらにアーカイブの動画配信など、ICTをフルに活用したソフトバンクらしい学習スタイルを実現しています。
2023年度は、役職や役割に応じた階層別研修(新人研修、新任管理職研修など)だけでなく、選択型研修として、ビジネススキルや英語、テクノロジー系の研修全77コースを集合型・オンライン型で提供し、6,156名(全従業員のうち29%)が受講しました。オンデマンド型オンライン講座やeラーニングなどラインアップも拡充しています。
また、AIを活用できる人材を増やしていくことを目的として、AI関連の学習コンテンツを体系化した「AI Campus from SBU Tech」を2021年から展開し、日本ディープラーニング協会が実施する「G検定」「E資格」の学習支援や、外部の有識者による講演会などを実施しています。
研修参加者 平均受講時間 (2023年度) |
全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
集合研修&講演会 | 15.2 時間 |
14.9 時間 |
15.9 時間 |
オンライン型学習 | 12.1 時間 |
12.2 時間 |
11.5 時間 |
G検定、E資格の学習支援プログラム (2023年度) |
G検定 | E資格 |
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受講者数 | 191人 | 17人 |
合格者数※ | 121人 | 12人 |
- [注]
-
- ※2024年3月31日時点の資格受検者のみで集計
- ※
さらに2009年6月より、従業員が持つノウハウ(知恵・知識・経験)を伝え、効果的な人材育成を推進するための「ソフトバンクユニバーシティ認定講師(ICI(Internally Certified Instructor)制度」を導入しています。この制度は、一定のスキルを持つ従業員をソフトバンクユニバーシティの講師に認定し、従業員が講師として研修を実施する機会、また、経験に即した研修を通じて他の従業員がより高いスキルを習得する機会を提供するものです。2024年3月時点でICIの人数は100名、ICIが担当しているコースは約50コース(全体の約83%)にのぼります。
キャリア形成の機会を提供
従業員が自己成長・自己実現できる環境として、キャリア形成におけるさまざまな機会を提供しています。
ジョブポスティング (社内公募制度) |
新規事業や新会社の立ち上げの際にメンバーを公募する制度で、社員の自己成長や自己実現の機会を提供し、誰もがチャレンジできる環境を提供しています。 |
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フリーエージェント (社内公募制度) |
“意欲ある社員が自らキャリアアップにチャレンジできる”制度です。自ら希望する部門やグループ会社に手を挙げ、異動が実現できる仕組みです。 |
資格取得支援制度 | 受験料や奨励金を会社が支給することにより、自己啓発・スキルアップを目的とした従業員の資格取得を支援します(会社が認定した資格に限る)。 |
自己申告制度 | 年に1回、従業員が現在の職場への適応状況やチャレンジしたい業務を自己申告し、上司と面談を行うことで、本人の適性や将来のキャリアを考慮した配置・配属につなげます。 |
能力開発目標 | 半期に1回、自身の能力を棚卸しして、能力開発目標を作成して実行することにより、研修と連動した従業員の能力開発を支援します。設定した目標については、貢献度評価などと合わせ、年間を通した継続的な状況確認とフィードバックを行っています。 |
SB版キャリアドック | 今後のキャリアに向けて前向きな一歩を踏み出すために、年代に応じたセミナーや講演会、集合研修、eラーニングなどを開催し、定期的に自身の能力・スキルを見直す機会を提供しています。 |
管理職サーベイ | 年に1回、管理職を対象としたサーベイを実施しています。多面観察(上司、同僚、部下/メンバー、本人)結果により、周囲と自己認識の差異を確認し、改善点克服をはじめとしたマネジメントスキル向上のための課題設定・実行・振り返りを行うだけではなく、職務適性や行動特性の傾向を明らかにすることで、管理職の配置やアサインの参考としています。 |
等級・評価・報酬制度
評価と報酬は、努力し成果を出した人が次の挑戦へ向かうことができるように正当・公平な仕組みを取り入れています。
ミッショングレード制度 | 年齢や性別などの属人的な要素ではなく、担うミッションや働き方に応じて領域・グレードを決定します。ミッション定義書は職種ごとに設けられており、社員に対して会社が期待するミッションや発揮してほしい力を明らかにすることで、チャレンジの方向性を示します。 |
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評価制度 | 仕事の成果や組織への貢献を評価する貢献度評価(2回/年)。ミッションや実力を評価するミッション評価(1回/年)。ミッションを遂行するために求められるコア能力およびバリューに対する評価(1回/年)など、複数の評価指標を取り入れ、全ての正社員に対して、定期的に適切な個人評価を行っています。貢献度評価では、組織目標をブレークダウンしながら各個人で目標を設定し、達成度および組織への貢献度を評価しており、目標の進捗確認を目的とした定期的(目安1回/月)な上長との面談実施を推奨しています。ミッション評価では、グレードごとに求められる期待役割を職種別に表したミッション定義に基づき、個人の実力も総合的に勘案しながら評価を行い、次年度のグレードを決定します。コア能力・バリュー評価では、戦略形成力、戦術構築力、決断力、実行力などをはじめ、行動規範の遵守を含む誠実性・倫理性・自己管理についても評価を行い、ミッション評価を行う上でこれらの評価を考慮しています。 |
報酬制度 | ミッショングレード制度と評価制度(貢献度評価、ミッション評価、コア能力・バリュー評価)を連動させた報酬制度となっています。賞与については、各人の貢献度評価に連動し、変動幅をもたせることで、組織への貢献に対し報酬を支給する仕組みです。 |
その他 | 当社グループの企業価値向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的とした長期インセンティブとして、ストックオプションを発行しています。 ストックオプションは、会社の業績および企業価値向上が社員の利益につながる施策です。2018年3月、2021年1月に全社員を対象としたストックオプションを発行しました。 |
当社は、2024年度(令和6年4月1日から令和7年3月31日までの当社事業年度)において、給与等受給者一人あたりの平均受給額を対前年度増加率3%以上とすることを表明します。
なお、表明した賃金引き上げが予定通り行われなかった場合は、速やかに報告いたします。
表彰制度
社員のモチベーション向上やチャレンジ精神の醸成を目的とした表彰制度を設けています。
SoftBank Award | 「チャレンジ」「イノベーション」をキーワードに売上や利益だけでなく、チームや個人の挑戦的・独創的な取り組みによる貢献を表彰します。このような取り組みを互いに認め合い、たたえ合うことで、社員のモチベーション向上やチャレンジ精神の醸成を実現します。 |
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チーム別利益管理 | 営業部門を対象とした表彰制度で、現場の最小組織単位(部・課・チーム)にフォーカスを当て、個々のチームが当事者意識を持って自律的に利益の向上に取り組むことを目指します。半期ごとに成果を集計し、上位に入賞したチームには報奨としてチームボーナスを支給します。 |
エンゲージメントサーベイ
従業員のワークライフ・インテグレーション、職場の活性化・エンゲージメントの向上をさらに推進すべく、従来実施してきた年1回のESサーベイ(従業員満足度調査)および月1回のパルスサーベイを、2023年8月に「エンゲージメントサーベイ(年次・月次)」に統合・刷新しました。年次サーベイを毎年8月、それ以外の月は月次サーベイとして少ない設問数で実施しています。
年次サーベイは強い組織づくりと組織活性化のための現状把握と課題抽出を目的に実施しており、「総合スコア65以上」を目標としています。全社および各部門の結果と実態を踏まえた分析を行った上で、それぞれアクションプランを作成しています。より良い組織づくりに向けた継続的な改善活動へとつなげるとともに、改善活動を組織の隅々にまで波及・浸透させています。
また、月次サーベイは、組織および個人の状態把握、上長とメンバーのコミュニケーション促進を目的に実施しています。組織・個人のコンディションの変化を測定するとともに、個人結果は自身だけでなく上長に開示することで、より良いコミュニケーションを促進します。
エンゲージメントサーベイをリスクアセスメントと捉え、これらの結果を踏まえて人材の確保や定着に関するリスクを適切に把握することで、従業員の活力と会社の業績向上、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着へと結び付けています。
エンゲージメントサーベイ | 2020 年度 |
2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
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---|---|---|---|---|---|---|
回答率 | 96.8% | 96.4% | 96.3% | 99.0% | ||
総合スコア※ | 全社平均 | 3.58 | 3.63 | 3.62 (61) |
66 | |
性別 | 男性 平均 |
3.59 | 3.63 | 3.63 (61) |
66 | |
女性 平均 |
3.57 | 3.63 | 3.63 (61) |
65 | ||
カテゴリ別 | 仕事 平均 |
3.46 | 3.46 | 3.48 | 61 | |
上司 平均 |
3.80 | 3.84 | 3.86 | 71 | ||
職場 平均 |
3.66 | 3.71 | 3.72 | 68 | ||
会社 平均 |
3.40 | 3.50 | 3.44 | 64 |
- [注]
-
- ※
100点満点で集計(~49:低い、50~64:普通、65~74:高い、75以上:非常に高い)2022年度までは5点満点で採点(~3.00:低い、3.00~3.50:普通、3.50~4.00:高い、4.00以上:非常に高い)
- ※
総合スコア:仕事、職場、上司、会社に関する結果の集計値
仕事:「やりがい」「主体性」「量の適正さ」といった満足度、目的意識、ストレスなどの仕事に関する項目
職場:「風通しのよさ」「人間関係」といった職場環境などの職場に関する項目
上司:「能力把握」「適切なアサイン」といったマネジメントなど上司に関する項目
会社:「評価・報酬」「文化・風土」といった社内制度、福利厚生など会社に関する項目
- ※
社内起業制度
社員による新規事業提案実現を支援する社内起業プログラム「ソフトバンクイノベンチャー(SoftBank InnoVenture)」を2011年より実施しています。「ソフトバンク 新30年ビジョン」における「戦略的シナジーグループ5,000社」の実現に向け、その一端を担う新規事業を幅広く募集するもので、ソフトバンクグループのさらなる飛躍につながる、独創性・革新性に富んだアイデアが続々と集まっています。
2011年のソフトバンクイノベンチャーのスタートから今まで、事業アイデアの応募件数は約7,840件にのぼっており、厳正なる審査を通過した112件の事業化検討案件がβ版プロダクトをリリース。うち22件が事業化しています。(2024年5月時点)
また、Innoventure Lab(イノベンチャーラボ)として、ソフトバンクグループ社員向けインキュベーションプログラムを提供し、新規事業の応募前から最終審査までをサポートしています。2016年より始動した本プログラムは、業務時間外で活動を行っており、国内外のスタートアップに関する知識や新規事業開発のノウハウ、仮説検証の方法など、幅広い知識の習得・実践を目的としています。ソフトバンクグループの全社員、内定者のうち、社内起業を志す方なら誰でも登録可能です。(連結従業員数のうち14.2%が参加)
後継者の発掘・育成を
目的とした教育プログラム
「ソフトバンク 新30年ビジョン」の発表と同時に、孫 正義は自らの後継者の発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」の設立を宣言し、2010年7月28日に開校しました。
初代校長である孫自らが指導をする講義のほか、受講者同士が相互に評価し合い、実践的に切磋琢磨していくプログラムも用意されており、ソフトバンクグループの具体的な事業戦略立案・参画への提案機会となるプレゼンプログラムでは、2~3カ月に1~2回程度開催し、経営層に提案を行っています。
また、社員のみならず、グループ外にも門戸を開き、2011年6月からは外部生も入校しています。入校生は厳正な審査によって決定され、さまざまなバックグラウンドを持った志の高いアカデミア生が、互いに刺激を与え合い、今後のソフトバンクグループを担う後継者を目指しています。(在籍アカデミア生は約300名、内部生は連結従業員数のうち0.3%が在籍)
外部生の属性
(その他:エンジニア、研究者、
大学教授、大学生など)
内部生・外部生の割合
(外部生:ソフトバンクグループおよび
ソフトバンクのグループ会社に属さない生徒)
年齢層
(2024年4月1日時点)
内部生・外部生の割合
(外部生:ソフトバンクグループおよび
ソフトバンクのグループ会社に属さない生徒)
外部生の属性
(その他:エンジニア、研究者、
大学教授、大学生など)
年齢層
(2024年4月1日時点)