労働慣行に対する取り組み

基本的な考え方

労働慣行に対する方針を「ソフトバンク人権ポリシー」に掲げ、適切な労働慣行の推進に向けた各種制度を整備しています。また、賃金や労働時間等の労働基準に関する方針は各種言語に翻訳し、国内・海外で働く全ての従業員が理解できるようにしています。

主な取り組み

労使関係

結社の自由と団体交渉権を社員の権利として尊重し、これらの効果的な行使を容認しています。当社は、労働組合との労働協約を締結しています。建設的な労使の対話を行うために、労働組合の代表者と経営層との労使協議や委員会を開催し、賃金・一時金や労働安全衛生の協議に加え、諸制度の改善や、経営環境に関する定期的な意見交換を行っています。

労働リスクアセスメント

自社の事業活動における適正な労働慣行の順守を確認するために、新規事業に対しては過重労働を含む労働リスクのアセスメントを実施し、課題が判明した場合には迅速に対策の実施・課題解決にあたることができる体制を整えています。特に新規子会社の立ち上げ時には、担当人事責任者として人事分野のスペシャリストを配置するなど、組織が目標達成のために健全に機能し、所属する社員の健康を害することのないように配慮しています。

既存事業においても、36協定の順守を目的に、過重労働発生リスクのアセスメントおよび是正対策を継続的に実施しています。具体的には、勤怠管理システムを用いた月次・年次での労働時間シミュレーションにより、特に長時間労働が見込まれる社員に対しては個別の状況確認と対応検討、逐次経営層への報告を実施することで、労働時間の適正化に取り組んでいます。また全従業員を対象とした定期的な「サービス残業アンケート」により実態を把握し、時間外労働手当の支払い徹底に努めるほか、「時間外労働に関する社員の意識調査」を通じて啓蒙活動を実施しています。こうした取り組みや過重労働状況については、経営層の集まる会議および安全衛生委員会への定期報告を通して、リスク低減の効果を確認するとともに、さらなる取り組みの強化につなげています。

労働に関するコンプライアンス

2021年度、労働関連のコンプライアンス違反が1件発生しました。一部事業場において、深夜業務の従事に必要な健康診断が行われていなかったことによるものですが、この違反に対しては深夜業検診の運用見直しを行い、労働基準監督署への提出をもって改善しました。

休暇取得の奨励

社員のワークライフバランスの実現と心身の健康維持を目的として、年次有給休暇の取得を積極的に奨励しています。取得実績を管理するだけでなく、計画的かつ効果的な取得を促すための取り組みを継続的に実施しています。

具体的には、夏季期間中の年次有給休暇取得を推奨するほか、年間を通じて「年次有給休暇取得奨励日」を設定しています。これにより、土日や祝日に挟まれた平日や、ゴールデンウィーク期間中の平日など、業務への影響が比較的少ない日を選定し、社員が安心して休暇を取得できる環境づくりを進めています。全社的に年次有給休暇の取得率70%を目標として掲げ、各部門においても取得状況のモニタリングやフォローアップを行っています。

他にも、不妊治療を含む通院のためにも取得可能な「通院・がん治療休暇」や特別有給制度である「配偶者出産休暇」など、法定を上回る特色を持つ当社独自の休暇制度も多数整備しています。これらの取り組みを通じて、社員一人ひとりが適切に休息を取り、持続可能な働き方を実現できるよう努めています。

公正で業界競争力のある
処遇の徹底

法定最低賃金の順守にとどまらず、生活賃金以上の業界競争力のある支払いに努めています。報酬の決定に当たっては、各地域での法律を順守しており、新卒採用者の初任給は地域別最低賃金全国加重平均額を大きく上回る水準となっています。また、性別に関わらない公平な賃金の支払いにも努めており、性別による賃金格差(ジェンダー・ペイ・ギャップ)の解消を目指し、男女間の「給与」または「給与と賞与」の金額の差のモニタリングを年に一度実施しています。

[注]
  • 2021年現在、約170%相当(東京都の最低賃金との比較では約150%)

人材開発の取り組み

従業員一人一人が自己実現に向けやりがいを持って仕事に取り組み、自律的なキャリア開発を支援できる職場づくりに取り組んでいます。

イニシアチブへの参加

当社は、国連グローバル・コンパクトの署名企業として、結社の自由と団体交渉権の実効的な承認、強制労働の撤廃、児童労働の廃止、雇用と職業に関する差別の撤廃への支持を表明しています。また、外部との積極的な情報交換の機会を通じて適切な労働慣行に向かう取り組みを強化しています。従来よりさまざまな業界をリードする企業の人事部門との交流を継続的に行い、特に2017年以降、労働慣行に関するワークショップの合同開催等を通じて、互いに労働問題に関する意見交換や対策検討を行っています。得られた情報は社内にフィードバックし、適切な労働慣行の推進に生かしています。