生物多様性の保全

生物多様性の保全 生物多様性の保全

基本的な考え方

当社は事業活動において、自然資本から提供される生態系サービスの恩恵を受けており、持続可能な企業経営の観点からも、生物多様性保全の重要性を認識しています。

国際条約や法令で指定された自然保護区など重要な生物多様性を含む地域における通信サービス等の当社事業活動およびサプライチェーンにおいて、生態系に及ぼす影響に十分に配慮し、重要な生態系に著しい影響が想定される場合は、緩和ヒエラルキー(回避、最小化、回復とオフセット)を適用いたします。

生態系が機能する持続可能な地球を次世代につなぐため、当社事業はもちろん、一次サプライヤーおよび二次以降のすべてのサプライヤーに対して生物多様性への取り組みに協力をいただきます。また外部パートナーと協働し、事業活動や社会貢献活動を通じて、生物多様性保全の取り組みを推進いたします。

主な取り組み

サンゴの保全活動を通じて
海洋環境を守る

サンゴの保全活動を通じて海洋環境を守る

温暖化対策や生態系維持など環境保全の取り組みとして、サンゴの植え付けや環境保全を積極的に行う沖縄県恩納村および多数の企業や団体と合同で、2019年7月に「未来とサンゴプロジェクト」を立ち上げました。

本プロジェクトではサンゴを守り、未来の地球の生態系を維持していくために、募金を集め、集まった募金でサンゴの苗を購入し、その植え付けを行うボランティアツアーや近隣のビーチクリーン活動の実施、サンゴが成長する様子や協力企業、団体活動の情報発信などの取り組みを行っています。

サンゴの保全ならびに研究に取り組むサンシャイン水族館に、プロジェクト立ち上げより学術的なサポートをいただき、今後も連携を深めていきます。

携帯リサイクルの推進

当社の主力事業である携帯電話の本体やバッテリー、充電器などには、産出量が少ないレアメタル(パラジウム、コバルトなど)や金、銀、銅など、たくさんの貴重な資源が含まれています。
レアメタルは重要原料であるとともに代替しにくく、新規採掘には鉱山開発等によって産出地の生物多様性に影響を及ぼすことになります。

レアメタルは鉱山から採掘するよりリサイクルで再生産した方が効率的に集めることができるため、当社は使用済み携帯電話の回収およびリサイクルを促進しています。リサイクルを進めることで、新規採掘による森林伐採など環境破壊の防止に貢献します。

森林破壊防止に関する取り組み

当社は森林破壊防止に関する適用法令・規制を遵守することはもちろん、世界的な取り組みに賛同し、イニシアチブへの参加やペーパーレスの促進、認証紙の積極的な活用など事業活動における森林資源への負荷を最小限とする取り組みを推進しています。また、サプライヤーに対してサステナビリティ調達調査を毎年実施し、森林への影響など事業活動における生態系に与える直接・間接的影響について継続的なモニタリングを行っています。

社内業務ペーパーゼロ宣言

ペーパーレスの促進として、2012年4月より「社内業務ペーパーゼロ宣言」を掲げ、社内外の手続きで使用する紙や報告書、会議などで使用する紙の削減に積極的に取り組んでおり、2011年度に比べ9割減という大幅な印刷削減に成功しています。また2021年4月より業務効率化を目的に開始した押印電子化プロジェクトにより森林破壊への影響低減に努めます。

社員による植林活動

社員による植林活動

当社では、倉本 聰氏主宰「NPO法人 CCC富良野自然塾」のご協力の下、社員を対象に「親と子の健全な関係作り」「環境・自然を考える」をテーマにしたオリジナルプログラム「夏休み親子自然塾」を開催しています。
2007年の開始からこれまで総勢250名以上の親子が参加し、ゴルフ場跡地に植林し、元の森に返す未来へつなげる活動などを行っています。

認証紙の活用

認証紙の活用

当社の社員が営業活動などに使うロゴ入り紙袋はすべてリサイクル可能な素材を活用しています。袋表面のプラスチック加工をなくしたことはもちろん、持ち手部分にもプラスチックは使っていません。さらに、袋とのつなぎの部分も接着剤や留め具を使わず、結んで留めています。紙は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体であるFSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)に認められた紙を使用しており、リサイクル可能です。ロゴの印字には、石油系の溶剤に比べて生分解性があり、揮発性有機化合物の排出もほとんどなく環境負荷低減に寄与できるベジタブルインクを使用しています。

イニシアチブへの参加

環境省生物多様性のための
30by30アライアンスへ参加

30by30

2030年までに陸と海の30%の保全を目指す30by30達成に向けた企業、自治体、NPO等が参加する生物多様性のための30by30アライアンスに参加しました。

企業と生物多様性イニシアチブ
(JBIB)への加入

JBIB

当社は、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりである「企業と生物多様性イニシアチブ」(JBIB:Japan Business Initiative for Biodiversity)に、ネットワーク会員として参加しています。
今後も生物多様性の保全活動に取り組むとともに、世の中の動向と整合した活動を推進します。

ガバナンス

取締役会の諮問機関としてSDGs推進委員会を2020年3月に設置しました。代表取締役社長が最高SDGs推進責任者に就任し、生物多様性保全を含む戦略などサステナビリティ活動全体の責任を担います。

リスクと機会

生物多様性の喪失が当社に及ぼすリスクと機会について、環境委員会にて特定し、関連する活動への取り組み目標を設定し進捗状況を確認しています。

発生場所 項目 具体例
リスク 自社
  • 取り組み不十分となった場合のレピュテーション低下
  • 法規制強化による財務影響
オフィス業務、商品提供への紙使用に対する規制によるコスト増や、削減の取り組み不足と判断された場合のブランドイメージの低下
サプライチェーン 法規制や、訴訟などによるサプライチェーンの不安定化 携帯電話に使用されるレアメタルの需要増・枯渇による供給不足
機会 ITツールを用いた情報発信や寄付促進などへの取り組み推進によるブランド価値向上

指標と目標

指標 目標 達成年 進捗
携帯リサイクルの推進 使用済み携帯電話
回収台数
2020~2025年累計
1000万台
2025年 51.0%
社内業務ペーパーゼロ宣言による森林破壊への影響軽減 社内業務紙使用削減 2011年比
92%削減
2025年 99.8%