プレスリリース 2020年

5Gの車両間通信を活用して、新東名高速道路で
車間距離10mのトラック隊列走行に成功

2020年3月25日
ソフトバンク株式会社
Wireless City Planning株式会社

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)とWireless City Planning株式会社(以下「WCP」)は、第5世代移動通信システム(以下「5G」)の新たな無線方式(以下「5G-NR」)の無線伝送技術に基づく車両間通信※1を活用して、新東名高速道路でトラック隊列走行(先頭車両が有人運転で、後続車両が自動運転で先頭車両を追従)の実証実験を実施しました※2※3。「5G-NR」の高信頼・低遅延という特長を生かして、隊列走行するトラック車両間で制御情報を共有し、目標車間距離10mで後続車両の自動運転(車間距離自動制御および自動操舵制御)を行うことに成功しました。

トラックの隊列走行においては車両間でのリアルタイムの制御情報の共有や、隊列後方の安全確認のために後続車両周辺監視用の大容量動画像を後続車両から先頭車両へリアルタイムに伝送する必要があります。これらの通信には高信頼・低遅延かつ大容量通信が可能な5Gが期待されています。今回の実証実験の成功は、車両間制御の安定化や高信頼化、後方安全確認時の視認性の向上に貢献するもので、ソフトバンクとWCPはトラック隊列走行の早期実用化に向けて引き続き実験を推進していきます。

実証実験の概要

新東名高速道路の試験区間(約20km)を時速約80kmで走行する3台のトラック車両間で、5Gの車両間通信(4.5GHz帯使用、無線区間の伝送遅延1ms以下)を活用して位置情報や速度情報、操舵情報などを共有し、目標車間距離10mでのCACC(Coordinated Adaptive Cruise Control、協調型車間距離維持制御)※4に加えて、リアルタイムで後続車両の自動操舵制御を実施しました※5。実験は一般車両が走行する高速道路(公道)という実用的な環境下で行い、トンネル内を含む試験区間において、10mという短い車間距離での安定した隊列維持に成功しました。

実験日

2020年2月27~28日

実験の構成

実験の構成

実験の様子(静岡県内)

実験の様子(静岡県内)
[注]
  1. ※1
    3GPP 5G-NR Sidelink。3GPPにおいて2020年4月以降に標準化予定。
  2. ※2
    経済産業省および国土交通省の「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業」の一環として実施。
  3. ※3
    WCPが請け負った、総務省の令和元年度「高速移動時において無線区間1ms、End-to-Endで10msの低遅延かつ高信頼な通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」で実施。
  4. ※4
    通信で先行車の制御情報を受信して、車間距離を一定に保つ機能。
  5. ※5
    隊列走行実験用トラック車両の提供および新東名高速道路での後続車の自動運転操作実験については、先進モビリティ株式会社に協力・支援していただきました。
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