2020年3月期 第2四半期 決算説明会 要旨

日時 2019年11月5日 (火) 午後4時~5時30分
登壇者 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO宮内 謙
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 CTO宮川 潤一
ソフトバンク株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CFO藤原 和彦

要旨

決算説明会では、「2020年3月期 第2四半期 連結実績」および「成長戦略の進捗」の2点について、社長の宮内より説明しました。

1. 2020年3月期 第2四半期 連結実績

2020年3月期第2四半期累計(2019年4月~9月)の売上高は、前年同期比32%増加し、2兆3,731億円となりました。営業利益は前年同期比25%増の5,520億円、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比11%増の3,274億円となりました。当社は2019年6月にヤフー(株)(現Zホールディングス(株))を連結子会社としましたが、2019年3月期の期初からヤフーを連結子会社化していたとみなして、2019年3月期業績の遡及修正を行っています。遡及修正後の2019年3月期第2四半期累計業績と比較した場合にも、当期は増収増益となっています。事業別にみても、全ての事業で増収となりました。また、個人のお客さま向けのモバイル通信サービス以外の収益が売上高に占める割合は、法人事業やブロードバンドサービスの成長により年々増加していましたが、この度のヤフーの子会社化によって、2020年3月期第2四半期累計売上高に占める個人向けモバイルサービス以外の収益の割合は6割を超えました。さらに、期初に発表した2020年3月期通期連結業績見通しに対する第2四半期累計実績の進捗率は、営業利益で62%、親会社の所有者に帰属する純利益で68%と、順調に進捗しています。

2. 成長戦略の進捗

ソフトバンクの成長戦略は「通信事業のさらなる成長」、「ヤフーの成長」および「新領域の拡大」の三つの柱で構成されています。

通信事業のさらなる成長

コンシューマ事業や法人事業といった通信事業は、順調に業績を伸ばしています。

コンシューマ事業は、モバイル通信サービスおよびブロードバンドサービスの業績好調を背景に、前年同期比4%の増収となりました。

モバイル通信サービスでは、“ソフトバンク” “ワイモバイル” “LINEモバイル”という特徴の異なる三つのブランドを提供し、お客さまのさまざまなニーズにお応えしています。各ブランドの取り組みの結果、スマートフォンの累計回線契約数は、前年同期比9%増の2,303万件となりました。また、2019年10月に施行された改正電気通信事業法にも、当社は適切に対応しています。「期間拘束の是正」ついては、解約違約金に1,000円という上限が新たに設けられましたが、当社は2019年9月に“ソフトバンク” “ワイモバイル”とも違約金を0円とすることを発表しました。また、同じく改正法で求められている「携帯端末代金と通信料金の分離」について、“ソフトバンク”ブランドではすでに2018年9月に端末分離プランを導入しており、“ワイモバイル”も2019年10月より端末分離プランの提供を開始しています。法改正に対して適切な対応を実施していることに加え、当社はユーザーのさまざまな“ストレス”を解消するために取り組みを続けています。“ソフトバンク”ブランドでは、大容量でお求めやすい料金を実現しており、他社の料金値下げ後も、大容量データプランにおいて価格競争力を維持しています。また、今回“ワイモバイル”ブランドが導入した新料金プランでは、端末分離と同時に、料金の値下げと月間データ容量の増量を行いました。

ブロードバンドサービスでは、主力の「ソフトバンク光」の累計契約数が、前年同期比で12%増加しました。

法人事業では、IoT、ロボット、AI、RPA、セキュリティー、クラウドなどを含む「ソリューション等」の伸びが業績をけん引し、前年同期比4%の増収となりました。ソリューションビジネスでは、衛星測位システムを活用して誤差数センチメートルの高精度な測位を実現する「センチメートル級測位サービス」やドローンによるインフラの点検サービスなど、法人向けの新たなサービスを続々とリリースしています。

まもなく本格的に提供を開始する次世代通信システム「5G」についても、取り組みを加速しています。2019年8月に行われたバスケットボールの国際試合では、5Gを活用して高精細な8K映像でマルチアングルライブ配信を行う実験に成功しました。

またソフトバンクは、社会インフラを担う通信事業者として、災害に備えたネットワーク対策にも日々取り組んでいます。停電対策や燃料備蓄といったネットワークセンターの強化、基地局の停電対策、移動基地局車や衛星アンテナ・気球などの多彩な復旧手段の準備に加え、自衛隊・海上保安庁・自治体との訓練も定期的に実施しています。2019年10月に発生し、大きな被害をもたらした台風第19号では、台風上陸の2日前に対策本部の設置を完了したほか、被災エリア外の全国6地域からも支援部隊を派遣し、協力会社を含むのべ1万人規模で復旧活動にあたりました。さらに被災地への支援活動として、充電サービスやWi-Fiサービスを無料で提供したほか、被災されたお客さまに対し利用料金の支払期限延長などの支援措置も行っています。ソフトバンクは、今後も災害対策の強化に取り組んでいきます。

ヤフーの成長

今年度から新たに加わったヤフーも、前年同期比4%の増収と、着実に成長しています。

「Yahoo! JAPAN」や「Yahoo!ニュース」などのメディア関連サービスや広告関連サービスを扱うメディア事業では、「Yahoo! JAPAN」の月間ログインユーザーID数が前年同期比10%増と順調に拡大しています。また、当社の法人事業とヤフーのメディア事業の混合チームが当社法人事業内に発足し、企業向けのトータルソリューション提案の中で、「Yahoo! JAPAN」広告などのヤフー商材のプロモーションを強化するなど、シナジー創出に向けた取り組みを始めています。

「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」などのeコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービスや決済関連サービスを扱うコマース事業では、eコマース取扱高が前年同期比で12%増加しました。また、新しいeコマースサービスとして、2019年10月に「PayPayモール」と「PayPayフリマ」を相次いでリリースし、PayPay(株)や、当社の“ソフトバンク”ブランド、“ワイモバイル”ブランドとも連携して、eコマースを積極的に展開しています。さらにヤフーは2019年9月に(株)ZOZOの連結子会社化を目指した株式公開買い付けの開始を発表しており、2020年代前半にeコマース取扱高国内No.1となるべく、協業を進めていきます。

新領域の拡大

新領域のビジネスも着実に成長しています。

スマートフォン決済サービス「PayPay」は、本日時点で累計登録者数1,900万人を超えています。2019年6月に開始した月替わりのキャンペーンで利用習慣の定着が進んだことに加え、10月に開始された経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」の後押しもあり、ここ数カ月で決済回数が急増しています。キャッシュレス市場全体を見ても、決済に関する意識調査において、日常の決済に現金を利用したいという人が減っている一方で、キャッシュレスを利用したい人が着実に増加しており、市場は盛り上がりをみせています。中でも「PayPay」は、店舗数の拡大と積極的なプロモーションにより、クレジットカードに次ぐキャッシュレス決済手段として想起されており、ほかのQRコード決済サービスと比べても、ユーザーの利用意向が非常に高いという調査結果が出ています。さらに「PayPay」は、公共料金の支払いや銀行口座への出金などの新たな機能を次々と追加しており、スマートフォン上であらゆる暮らしを便利にする“スーパーアプリ”を目指して進化を続けていきます。

最先端テクノロジーとデータ分析を活用して快適なワークスペースを提供する「WeWork」は、日本でのサービス開始から1年7か月でメンバー数が17,000人を超えました。本日時点で全国6都市23カ所まで拠点を広げており、順調にビジネスを拡大しています。

AIで需要予測を行うタクシー配車プラットフォーム「DiDi」は、タクシー配車アプリの月間ダウンロード数において、2019年7月から9月までの3カ月間連続で全国1位を獲得しています。サービス開始からわずか1年の間に、全国16都市でサービスを開始しており、年内には20都市までサービスエリアを拡大する予定です。また、海外のDiDiアプリが日本でもそのまま利用できるという特長を生かし、今後増加が見込まれる訪日観光客の取り込みも期待されます。

創業わずか6年でホテル客室数世界2位となった急成長のホテルチェーンOYO Hotels & Homesとの合弁会社OYO Hotels Japanは、設立からわずか7カ月で、39の都道府県に5,200室以上のホテルをオープンしました。OYOに加盟したホテルは、加盟後3カ月程度で、稼働率が平均8割を超えているという調査結果も出ています。

このようにソフトバンクは、ソフトバンクグループの投資先をはじめ、国内外の企業とさまざまな分野で連携し、新領域のビジネスを加速していきます。