方針
AIの利活用に伴う倫理的リスクや社会的影響に配慮しながら、AIが人々の幸せのために正しく活用される世界を目指すため、当社は、取締役会の監修の下、基本的な指針として「AI倫理ポリシー」を策定しました。さらに、実践的な取り組みとして、AIガバナンスに関する規程・ガイドライン・チェックシートなどを整備し、全社的な運用を通して、人間中心・公平性・透明性および説明責任などの基本原則に基づくAI活用を推進、技術の適正な活用と社会との調和を図りながら、信頼されるAIの実現に取り組んでいます。
体制
当社は、AIの開発・活用に関する法令やガイドライン、社会的規範を順守し、AIが人々の幸せのために適切に活用される世界を目指しています。そのため、AIを含むデジタル領域全般のガバナンスを担うデジタルガバナンス統括部を中心に、社内におけるAI利活用のガバナンスを推進しています。
当社のAIガバナンスに関する責任者であるAIガバナンス最高責任者は、AIガバナンスに関する意思決定および管理監督を担うとともに、各部門におけるAIガバナンスの実施状況を監督しています。また、リスク管理や改善促進を担うAIガバナンス管理担当者の任命などを通して、全社的なAIガバナンスの実効性確保を推進しています。また、社内外の有識者で構成されるAI倫理委員会をアドバイザリーボードとして設置し、同委員会からの助言や提言をAIガバナンスの推進に反映しています。
なお、当社では定常的な運用体制として、個々のAI利活用における成果の妥当性の確認、リスク判断およびコンプライアンスの確保について、所管するAI利活用部門が運用責任と説明責任を担っています。当該部門は、AIの利用目的の適切性および成果の妥当性、リスク評価結果ならびに法令・社内ルールの遵守状況を適切に管理するとともに、その内容についてデジタルガバナンス統括部をはじめとする関係部門に報告・説明する役割を担っています。
AIの不適切な利用や社会的影響が懸念される事案が発生した場合には、AI倫理委員長と関連部門の責任者が連携し、迅速な状況把握、リスク評価、対応方針の策定・実施を行います。また、重大な倫理的・社会的インシデントが発生した場合には、社長を本部長とする緊急対応本部を設置し、社内外の関係者と連携して対応にあたります。あわせて、必要に応じて所管省庁や関係機関への報告を適切に実施します。
AI倫理委員会
AIはあらゆる産業での活用が広がり、今後も活用方法の多様化や技術の高度化が進むことが予想されている一方で、活用の仕方によっては差別的な評価や不適切な選別につながるおそれがあるなど、倫理面での十分な配慮が求められます。当社ではこうした課題に対応するため、AIを含むデジタル領域のガバナンスを担うデジタルガバナンス統括部の統括部長である帆足を委員長として、社外有識者などが参画する「AI倫理委員会」を設置・運営しています。「AI倫理委員会」では、AIの倫理に関するさまざまな課題について議論や提言を行い、ユーザー視点を踏まえた客観的かつ実効性が高いAIガバナンスの実現を目指しています。
AI倫理委員会の主な役割は、以下の通りです。
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AI倫理に関わる方針・施策・計画の共有や提言
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AI倫理活動に有益な情報の共有
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社内におけるAI活用・相談状況の共有および倫理的課題の共有や助言
など
関連会社のAI倫理・
ガバナンス支援
当社は、関係会社(子会社および関連会社)に対してAI倫理・ガバナンスに関する支援を行い、AI技術の活用に伴うリスクの低減および未然防止を図るとともに、対応策に関する情報共有など通して、グループ全体のAIガバナンスの向上を推進しています。また、多くの関係会社が「ソフトバンクAI倫理ポリシー」に準拠し、適正かつ一貫したAIの活用および研究開発を行うための指針として活用しています。
取り組み
当社は、AI倫理・ガバナンス体制の整備を進めるとともに、社内におけるAIの導入・開発に際して、倫理的観点からの確認や助言、リスクベースアプローチに基づくリスク評価を実施しています。また、AIの利用状況や社会的影響を継続的に把握・評価するモニタリング体制を整備し、社内外の関係者との連携を図っています。さらに国内外の法令やガイドライン、社会動向を踏まえながら、管理体制や対策の見直しに加えて、新たな取り組みの検討に取り組んでいます。その一例として、当社はAIマネジメントシステムに関する国際規格であるISO/IEC 42001の認証取得に向け、認証審査を受審するなど、認証取得に向けた対応を進めています。
一方、ルールを整備するだけでは、組織全体における適切な行動を定着させることはできません。ルールの実効性を確保するためには、その内容が関係者に十分に理解され、日々の業務の中で適切に実践されることが重要です。そのため、当社はルールの整備に加えて、その内容を分かりやすく伝えるための教育や研修を重視しています。社員一人一人がルールの背景や意図を理解し、自らの行動に落とし込めるようになることで、ルールが定着し、実効的に機能すると考えています。
リスクベースアプローチ
当社は、AI倫理・ガバナンスに係るリスクチェックにおいて、リスクベースアプローチを採用しています。リスクレベルは「禁止」「高」「中」「低」の4段階で定義しています。各リスクレベルの定義は、リスクが顕在化した時の社会的・事業的影響を踏まえるとともに、社員が一貫した基準に基づき簡便かつ明確に分類できるよう設計しています。
なお、AIが関与する重要な意思決定については、リスクの程度に応じて人がレビューや修正が可能な設計となっているかを確認するとともに、誤用・悪用の防止に向けて、利用目的や機能範囲の明確化、ならびに適正利用を促す文書の整備状況についても確認しています。あわせて、組織体制や権限管理の適切性、AIモデルの性能などに関する継続的な監視、バイアスの特定および改善対応の実施状況について、チェックシートなどを用いて評価しています。
これらの取り組みについては、主管部門が定期的に確認するとともに、デジタルガバナンス統括部が運用状況を定期的にモニタリングすることで、実効性を確保しています。
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※3
デジタルガバナンス統括部
教育
当社は、AI倫理・ガバナンスにまつわる社内ルールや知識の理解を深め、その実践と定着を促進するため、「AI倫理・ガバナンス教育の推進」を重要視し、役員を含む全社員を対象に、年1回のe-learning、年2回の勉強会・毎月のメールマガジン配信などを通して、継続的な教育・啓発活動を実施しています※4。なお、e-learningは、新卒社員および中途入社の社員も必ず受講する運用としています。
具体的な教育内容は、国内外で発生しているAIインシデントの事例紹介や生成AIを含むAIを利活用する際の注意点(バイアス・情報漏えい・著作権侵害・ハルシネーションなど)、AI倫理に関する社会動向などを中心にコンテンツを作成し、全社員のリテラシーの向上に注力しています。
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※4
2025年度実績
ステークホルダーとの連携
当社は、これまでの取り組みを定期的に関連省庁や関連組織へアウトプットしています。当社の取り組みを高く評価いただいた結果として、総務省が公開するAI事業者ガイドライン
にも掲載されています。また、広島AIプロセスに基づく国際行動規範の報告枠組み
に参画し、AIの安全性・信頼性の確保および向上に取り組んでいます。当社のAIに関する取り組み等については、報告書の提出
(英語)などを通して透明性の高い情報開示に努めています。
今後も国内外の法規制やガイドラインなどの動向を踏まえながら、実効的かつ先進的なAIガバナンスの取り組みを推進するとともに、その内容を積極的に公開していきます。