チャットGPT、企業のどんな業務に利用できるのか?

2023年6月29日更新

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文章生成AI「ChatGPT」が大きな注目を集め、企業での業務利用も期待されています。近年はAIの進化が著しく、ChatGPTのほかにも画像認識技術を用いて欠陥品を製造段階で発見したり、販売データから将来の需要予測をするものなど、従来は人が行わなければならなかった業務を自動化するソリューションが続々と登場しています。本ブログではそんなAIの中でも最も大きなインパクトを持つとされているChatGPTの概要と、業務での活用例についてご紹介します。

目次

ChatGPTとは?

メディアなどでも盛んに取り上げられている「ChatGPT」は米OpenAI社が開発した自然言語処理モデルの一つです。自然言語処理モデルとは、人間が作った文章の意味や文法のルールをコンピュータが理解し、それに基づいて応答や文章生成を行う技術を指しています。

ChatGPTは収集した大規模なデータから利用者のリクエストに対し自然な文章での回答を生成することができ、企業での活用も期待されています。ChatGPTにはWebフォームから登録すれば無料で簡単に利用できる基本的なサービスのほか、より高度な文章作成などの機能を備えた有料バージョン「GPT-4」もあります。

ただ、ChatGPTに入力した内容が外部へ流出してしまうことなども懸念されるため、企業で利用するには入力情報を選別するなど運用方法に気をつける必要があります。

ChatGPTの業務活用例

ChatGPTは、大きく分けて次の5つの業務で効率的に活用できると考えられています。

情報収集

ChatGPTに調査したいことを質問すると、関連情報を要約して提示してくれます。例えば「AIの業務活用」など、新しく難しい分野について自分で調べるとなるとWebサイトを巡回したり本などから情報を集める必要があり、時間や労力がかかりますが、ChatGPTを使えば探索にかける時間を格段に短くできます。また、回答は要点がまとまっているので、検索サイトや本で調べるよりも分かりやすい結果が得られます。こうした特長から、ChatGPTはリサーチや情報収集の起点として役立ちます。

文章の作成

ChatGPTに「新しい製品の広告文を考えて」など指示すれば、そのための文章を作ることができます。そうした文は広告やブログ、メールの素案として活用可能なレベルで出力されるため、マーケティング活動などにおけるコンテンツ作成の効率化が可能です。しかし、ChatGPTが生成した文章をそのまま使用することは著作権侵害などに発展するリスクがあるため、担当者による確認やブラッシュアップは欠かせません。

アイデア出し

新しい企画の立案が必要になった際、ChatGPTに「新しくはじめるサービスの企画を立案してほしい」などとキーワードとともに入力すると、企画概要やシナリオについてのアイデア提案を受けられます。これにより企画の構成を考える初期の作業を効率化することができます。また、企画を練る中で考えをまとめたり、異なる視点からの意見がほしいときも、人間と話しているかのような自然な文章での応答を得られるため、ブレインストーミングの相手としても活用可能です。

企業Webサイトでの活用

例えば、顧客が特定の要件や好みをWebサイトのフォームに入力することで、適切な製品やサービスを提案してくれる応答システムなどに活用できます。また、ChatGPTをチャットボットに組み込むことで、真夜中など人による対応では制約がある時間帯や休日でもいつでも回答できるようになります。応答は即座に行われるため、顧客の待ち時間を最小限に抑えられるなど、カスタマーサポートの品質向上や効率化にも役立ちます。

しかし、こうしたChatGPTの活用にはWebサイト構築の専門的知見が必須となりますので、ご留意ください。

プログラムコード作成支援

ChatGPTに作成するプログラムの機能や要件を入力すると、コードの雛形を生成することができます。それにより人間が一からコードを考える必要をなくすことができ、作業の効率化に役立ちます。また、ChatGPTにプログラムで発生している問題を説明することで、解決のためのヒントを得ることができます。さらに、コードに潜んでいるバグの原因やプログラムの最適化方法などについてもアドバイスを得ることが可能です。

ただし、ChatGPTは完全なプログラムの生成や高度なタスクには適してはいないため、ChatGPTが生成したコードやアドバイスを元に作業する際は、人間によるチェックが欠かせません。

 

このように、ChatGPTはさまざまな業務で活用することができます。また、ChatGPTはプロンプト=文章作成の命令文によって生成する文章の精度が異なる特徴をもっています。より実用的な文章を作りたい時は「質問からずれないように」や「まとめ文を追加」といった条件をプロンプトに追加するなどの工夫も必要です。

ChatGPT利用時の注意点

非常に便利で、企業の業務でも大きな期待が寄せられているChatGPTですが、一方でその利用には注意すべき点もあります。

誤った情報の提示

ChatGPTは大量の学習データから応答を自動生成します。そのため、学習したデータに誤りがあれば、正しくない情報を含む文章が出来上がる可能性があります。加えて、ChatGPTの学習データは2021年9月までのものに限定されており(2023年5月時点)、ChatGPTを活用して最新のトピックについて調べる際には、情報の正確性に注意を払わなければなりません。

情報セキュリティ上の懸念

企業の情報を入力すると、ChatGPTがサイバー攻撃を受けた際に流出してしまうなどのリスクがあります。特に顧客の個人情報など、企業が守るべき情報が流出すれば広い範囲に迷惑をかける問題に発展することが懸念されます。また、自社にとっては重要度の低い情報であっても、取引先や関連会社へのサイバー攻撃の足掛かりになるデータが含まれていることもあるため、入力する内容には十分気をつけましょう。

倫理的な課題

ChatGPTは画期的な機能を持っていますが、あくまでもAIであることを忘れてはいけません。そのため、学習データに偏見や差別的な表現が含まれていれば、生成文章にもそうした視点を反映してしまう場合があります。マイノリティへの配慮などを欠いた文章を発信することは社の内外を問わず企業としての信頼を貶めることになりかねないので、そうした観点でも人間によるチェックが不可欠です。

 

お伝えした通り、ChatGPTが生成する文章の情報の正確性や信頼性には課題があるのが現状です。そのため、業務で利用するには追加の確認やリサーチが必要事項として求められます。

ChatGPTに今後、期待できること

ChatGPTの機能が今後強化されれば、企業の競争力強化や新規ビジネスの創出などにも役立つようになる可能性があります。下記は現時点で質問者の役割を「経営企画担当者」と設定して、ChatGPTが将来どのような業務に役立つかについて聞いてみた際に得られた回答です。こういった予測も気軽に得ることができます。

 

【プロンプト(命令文)】

#命令書

あなたは、企業の経営企画担当者です。以下の制約条件から考えられる文章を出力していただけないでしょうか。

#制約条件

・ChatGPTの企業における利用で将来的に期待できること
・段階的かつ論理的に教えてください
・重要なキーワードを取りこぼさない
・日本語で分かりやすく
・文章は簡潔に
・文字数は500文字程度
・マークダウンかつ、ステップ形式で書いてください
・必要に応じて太字や下線を使用して構いません
・確実な回答にするために、必要な情報などがあれば質問してください

ChatGPT 出力 文章 ※こちらは回答の例であり、上記のプロンプトを入力しても同様の返答が得られるとは限りません。

ChatGPTについてより学びたい方はこちら

本ブログでご紹介したようにChatGPTはさまざまな業務で活用でき、今後さらに便利になっていくことが見込める大変有望なツールです。

また、ソフトバンクでは、また、ChatGPTの使用について理解をより深めていただくためのコンテンツを用意しています。ご興味のある方はぜひ、下記リンクからご覧ください。

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現場で活躍しているエンジニアがAI開発ノウハウや事例を教材化し「レシピ」として提供している、人材育成支援サービスです。演習やワークショップで応用力を高め、AI技術・データサイエンスを使いこなす能力を鍛えられます。また、ChatGPT研修も2023年6月から提供します。

関連Webサイト

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生成AI(ジェネレーティブAI)は、コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術です。これまで人間が実施していた「考える」や「計画する」をAIが実行し、アイデアやコンテンツを生み出します。ソフトバンクはAI活用のコンサルティングから基盤構築・運用を通じてビジネス価値の最大化までワンストップでの支援を提供します。

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