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公開日:2022年4月7日

お金もエネルギーも節約!電気代を安くする方法

お金もエネルギーも節約!電気代を安くする方法
お金もエネルギーも節約!電気代を安くする方法

毎日の生活に欠かせない、便利な家庭用電化製品。テレビやエアコンなど普及率が90%以上の主要家電はもちろん、パソコンは78%、衣類乾燥機は54.3%など、現在ではさまざまな家電製品が高い普及率となっています(2021年3月の内閣府統計)。

便利で豊かな暮らしはいいけれど、なかには消費電力の高いものもあり、電気の使用量が増えて電気代を高くしてしまうことも。
そこで、快適な生活を維持したままで、電気代を安くする方法を集めてみました。

実際に、省エネ意識をもって電気の節約を実践している世帯と平均的な一般家庭では、電気代に2~3倍もの差が生じるというデータもあります。
ちょっとした意識や生活習慣の違いで、電気代も安くなってエネルギーもセーブできるなら、その方が断然おトクです。お財布にも地球環境にもやさしい生活を、今日から始めてみませんか。

電気の容量など契約内容を見直す方法

電気の容量など契約内容を見直す方法
電気の容量など契約内容を見直す方法

電気代を見直すときに、基本として押さえておきたいのは現在の契約内容や電気使用量について。
例えば東京都の調査では1月の暖房期に、電気使用量(kWh:キロワットアワー)が平均的な3人世帯の場合に530kWhで14,310円だったのに対して、使用量が平均値の半分以下となる「省エネ家庭」(3人世帯)では206kWhで5,562円という結果に。
ちなみに一人暮らしでは、平均的な世帯の電気使用量が297kWhで8,019円、「省エネ家庭」(1人世帯)では105kWhで2,835円でした。

自宅の電気契約の内容や電気使用量については、メーター検針の際に発行される「検針票」や利用している電力会社のウェブサイトなどで確認できるので、人数の近い世帯の電気代と比べてみてください。
省エネ家庭と2倍以上の差があれば、おおいに検討の余地ありです。

契約アンペア数を抑えて電気代を安くする方法

ブレーカー契約の電力会社の場合は、電気の契約アンペア数(A)によって電気代が変わります。アンペアが上がるにつれて、基本料金も高くなる料金プランが一般的。契約アンペア数を少ないものに変えると基本料金が安くなり、電気代も安くなる可能性があります。
契約容量(アンペア)というのは同時に使える電気の量のことで、適正なアンペア数を算出する場合は、1年で最も電気を使う状況を想定します。

例として、暖房を使う冬の夕方に、キッチンと居間で過ごす場合の電力を考えましょう。エアコン(1,100W)と電気炊飯器(1,300W)とテレビ(50W)に、照明(100W×2部屋)と冷蔵庫(300W)も稼働しているとします。消費電力は1,000W(ワット)で10A程度なので、合計すると2,950W=29.5Aとなり、30Aが必要という計算になるのです。

電気使用量は、世帯の人数によっても違います。平均的な消費電力の機種を例にとりましたが、省エネ家電の場合はもう少し電気使用量を抑えられる場合もあるので、自宅の契約アンペア数を見直す目安にしてみてはいかがでしょう。

また、電気の契約内容の見直しについては、こちらも参考になさってみてください。

電化製品の使い方を見直して電気代を安くする方法

電化製品の使い方を見直して電気代を安くする方法
電化製品の使い方を見直して電気代を安くする方法

それでは、実際に家庭用電化製品を使う際は、どんなことに気を付けると電気代が安くなるのでしょうか。
それぞれ使い方のポイントについてご紹介しますので、取り入れられそうな点はぜひ実践してみてください。

エアコンやテレビなどリビングで使う電化製品

エアコンは電源のオン・オフと設定温度に注意

エアコンが一番電力を消費するのは、運転を開始したとき。室内を設定の温度まで上げたり下げたりするために、大きなエネルギーを使うのです。そのため、夏の昼間や冬の朝など、気温と設定温度の間に大きな開きがあるような場合にこまめに電源を切ってオン・オフを繰り返すと、電気代が高くなってしまう可能性もあります。こんなときには、短い外出なら運転したままの方が電気代が抑えられることを知っておきましょう。

また、エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも電気代の節約につながります。
「夏の冷房時の室温は28℃、冬の暖房時の室温は20℃を目安に」と言われますが、資源エネルギー庁のデータでは冷房の設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)は年間約820円、暖房の設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)は年間約1,430円の節約になります。

さらに、運転時間を1日1時間短縮した場合は、冷房で年間約510円、暖房で年間約1,100円、電気代が安くなるということです。

ファンヒーターはエアコンとの併用で効率的に

ファンヒーターはエアコンに比べると立ち上がりが早く、部屋がすぐ暖まりますが、エアコンよりトータルのランニングコストが高くなる傾向があります。
ファンヒーターだけを長時間使用するより、室温を上げたところでエアコンをつけて、エアコンの起動時の消費電力を抑える形で運転をスタートさせるなど、上手に併用するほうが電気代は抑えられます。

テレビは明るさを調整

テレビの画面は明るいほど電力を使います。資源エネルギー庁のデータによると、液晶テレビ(32V型)の場合、画面の明るさを最大から中へ調節することで電気代が年間約730円安くなります。少し暗いと感じたら、画面の掃除をして余計なほこりを取り除いてみましょう。

また、こまめに電源を切ることによって、液晶テレビ(32V型)で年間約450円の節約になります。ゲームの後などで画面は暗くなっていても電源がついていることもあるので、消し忘れには注意が必要です。

パソコンは使わない時間に工夫を

使わないときに電源を切るのは当然ですが、利用時間を1日1時間短縮すると、デスクトップ型で年間約850円、ノート型で年間約150円の節約となります。90分以内であれば、「スリープ」状態にしていたほうが電気代は安くなるようです。在宅ワークなどでも、電源オフとスリープモードをうまく使い分けて上手に節約しましょう。

また、一定時間操作が行われないと画面に好きな画像などが表示されるスクリーンセーバーの設定をしている人は、このとき消費電力が下がらないことをご存じですか。特に3Dで表示されるものは描画処理にパワーを多く使うため、操作していないのに消費電力があがる場合も。電気代を安くあげたいなら、見直す必要がありそうです。

冷蔵庫や炊飯器などキッチンにある電化製品

冷蔵庫には食材を詰め込まず適切な温度設定を

1年中常時運転している冷蔵庫は、消費電力が200~300Wと比較的大きいために電気代が高くなりがちですが、毎日の使い方で少しずつ節約ができるようになります。

例えば、庫内の冷気を保って効率よく稼働させるために、食材は詰め込みすぎず、熱いものは冷ましてから入れるようにしましょう。詰め込まずに冷気の流れをよくすることで、年間約1,180円の節約になるというデータもあります。
冷気を逃がさないように、扉を開閉する回数を減らすだけでも、電気代を抑えられます。

また、庫内の設定温度を季節に応じて適切に変えることで、年間約1,670円も電気代が安くなります。このほか、壁から5mm~2cm※1ほどの適切な間隔をあけて設置し、熱が逃げるようにすると年間約1,200円が節約できます。

  • ※1
    設置に対する放熱スペースは、冷蔵庫によって異なります。各メーカーのカタログなどをご確認ください。

炊飯器ではご飯を長時間保温しない

炊飯器も、一般的に消費電力の高い(1,300W)電化製品の一つです。炊飯後はあまり長い時間保温せず、こまめに電源を切りましょう。炊飯後に電源プラグを抜くことで、年間約1,240円も電気代が安くなるというデータもあります。

保温時間が長くなると電力の消費量も増えますが、ご飯の風味も落ちてきます。保温するのは4時間までが目安。それ以降は、電子レンジで再加熱したほうが電気代も安く抑えられます。
長時間保温するより、その都度炊いた方が経済的なので、約7~8時間※2の間隔があくようなら2回に分けて炊くのもおすすめです。

  • ※2
    製品によって、炊飯時の消費電力量や保温時消費電力量が異なりますので、時間も異なります。

トイレや風呂場などで使う電化製品

温水洗浄便座の設定温度は低めに

トイレの温水洗浄便座は1年中稼動させず、寒い時期だけ使うようにしましょう。使うときも、設定温度を中→弱と一段階下げた場合は年間約710円の節約になります。同様に、洗浄水の温度を一段階下げた場合も年間約370円電気代が安くなります。

さらに、便座のフタをきちんと閉めた場合は、開けっ放しにしたときと比べて年間約940円の節約に。これらのデータは、タンクの中の水をヒーターで温める貯湯式での試算ですが、使用する度に瞬間湯沸器で温水を作る瞬間式温水洗浄便座の場合も熱が逃げず、節約の効果が期待できます。

洗濯機も乾燥機もできるだけまとめて使用を

洗濯機の電気代を節約するには、洗濯の回数を少なくするのが効果的。とは言え、一度にたくさんの衣類を詰め込むと洗濯の効率が悪くなり、逆効果です。衣類は洗濯槽の8割程度にしながら、できるだけまとめて洗うようにしましょう。

また、衣類乾燥機についても、まとめて使用した方が経済的です。例えば5kgの洗濯物の場合、8割の量で2日に1回使用した場合は、4割ずつに分けて毎日使うより年間で約1,130円も電気代が安くなります。
衣類乾燥もできる浴室乾燥機の電気代については、こちらも参考になさってください。

毎日の生活を見直して電気代を安くする方法

毎日の生活を見直して電気代を安くする方法
毎日の生活を見直して電気代を安くする方法

家庭用電化製品の使い方をそれぞれに工夫することで電気代は安くなる、ということがお分かりいただけたと思います。

それでは、毎日ちょっと気を付けて生活することで、電気代を安くする方法についてみていきましょう。難しく考えたり、神経質になったりする必要はありません。
「こちらの方がおトク♪」と楽しみながら続けることで、何気ない生活習慣の一つになれば、確実に電気代は抑えられます。

使うときにひと手間かけて消費電力を抑える

電化製品を使うときに、ひと手間かけて消費電力が少なくて済むようにするのも、電気代を安くする方法の一つです。

例えばエアコンは、運転時に扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させると、冷暖房の効果が倍増します。
冷房時は床にたまりがちな冷たい空気を、暖房時は天井にたまりがちな暖かい空気を循環させることで、設定温度も抑えられて電気代の節約になるのです。何より、部屋全体に冷暖房が行き届いて、体感も快適に。
さらに、窓に断熱シートを張ったり、遮光カーテンを利用したりという断熱対策も、冷暖房の効果を助けてくれます。

最近は風量の強い1,000W級のドライヤーも増えていますが、短時間でも髪を乾かすためには多くの電力を消費します。髪はタオルで水分をよく拭いてから、仕上げのつもりで使うのがおすすめです。

また、食器乾燥機は、洗浄が終わった後に扉を開け余熱だけで乾燥させれば、使用電力量を抑えられます。

時間帯によって電気代が安くなるプランを活用する

2016年に電力が自由化されるまでは、各地の大手電力会社がそれぞれのエリアで事業を独占していて、電気料金も国の定めた「規制料金」でした。自由化後は新規参入の電力会社も増え、それぞれのプランやサービスによって電気料金もさまざまな「自由料金」となったのです。

時間帯や曜日などで変化する料金プランもあり、一般的にあまり電力を使わないとされる深夜や休日の日中などは、電気代が安くなる傾向にあります。
特にオール電化の料金プランは、夜間や休日に電気代が大きく割引されることが多く、その時間帯に電気を使うことで給湯や暖房のコストを安く抑えることもできます。

時間帯別に料金が変わるプランを選び、高くなる時間帯での作業を避けて、安くなる時間帯に消費電力の高い家電を使うのも電気代を安くする方法の一つです。

古い家電を省エネタイプに買い替える

古い家電を買い替える際に、省エネ型の製品を選ぶことも電気代の節約につながります。

年中休みなく使用する冷蔵庫は、買い替えによって大きな差が出る電化製品の一つです。最近の冷蔵庫は断熱性の向上などで省エネ性能が大きく向上しているものが多く、全体に消費電力も抑えられています。
例えば容量400~450Lの冷蔵庫の場合、10年前は消費電力が470~620kWhだったのが現在では252kWhとなり、年間5,800円~7,695円も電気代が安くなります。

また、家庭内で最も電気使用量の多い照明を、省エネで長寿命のLED照明に変えるのも大きな節約となります。LED電球は白熱電球に比べて寿命は約40倍なのに、消費電力は約85%もダウンします。
白熱電球(54W)が4個ついた照明器具を例にとると、LED電球(8W)に交換して1日5~6時間の使用で、年間約9,700円も安くなるのです。在宅ワークなどで家に居る時間が増えたという人は、買い替えを考えた方がいいかもしれません。

このほか、10年前のエアコンを最新の省エネ型に買い替えた場合は年間3,500円、10年前のテレビ(32型)を同様に買い替えた場合は年間1,500円の電気代が、それぞれ安くなったというデータもあります。
現在、省エネ基準を満たした製品には「省エネルギーラベル」が表示されているので、購入の際にはこちらのラベルも確認してみてください。

まとめ

これまで見てきた中で、使ってきた家庭用電化製品の電気代を安くする方法について、実践しているものはありましたか?
あるいは、知らず知らずのうちに消費電力が高くなるやり方で使っていた、ということはありませんか?

1日に節約できる電気代はわずかでも、1ヵ月1年と積み重なっていけば、まとまった金額になるものです。
電気代が安くなるというのは、消費電力が減って省エネにも役立つということ。ムダなエネルギーと出費を抑えて、美しい環境と家計の余裕を増やしましょう。