プレスリリース 2021年

5GとMECを活用して、インタラクティブに動作する
デジタルアートを制作

~高負荷な描画処理などを通信ネットワーク内で実行することで、より高度な体験型アートを実現~

2021年4月9日
ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)は、第5世代移動通信システム(以下「5G」)とMECを活用して、株式会社乃村工藝社と共に企画したデジタルコンテンツを、インタラクティブに動作するデジタルアートとして共同制作しました。なお、このデジタルアートは、企業が5Gの技術検証や体験ができる施設「5G X LAB OSAKA(ファイブジー・クロス・ラボ・オオサカ)」で展示しています。

近年、ライブイベントや美術館、商業施設などで、人々の体験価値をより向上させるために、デジタルテクノロジーを活用した空間演出や、利用者の動きに合わせたインタラクティブな演出が導入されつつあります。一方、高度な演出を行うには、コンテンツの描画処理や演算処理を遅延なく実行するサーバーを、現地に多数設置する必要があることなどが課題になっています。

このたび制作したデジタルアートは、ソフトバンクが2020年に開催した技術展「ギジュツノチカラ」で展示した、インタラクティブにアートを鑑賞できるコンテンツ「Digital ART」を応用したものです。場所を選ばずに、より複雑なアートの表現やインタラクティブ性を実現するため、高負荷な描画処理や演算処理などをソフトバンクの通信ネットワーク内で実行します。

体験者がデジタルアートの前に立つと、「5G X LAB OSAKA」の展示会場に設置されたセンサーが骨格推定情報を取得し、5Gネットワークを介してソフトバンクが開発したインタラクション管理システムにデータを収集します。収集したデータはインタラクション管理システムで制御信号に変換して、ソフトバンクのデータセンター内に設置したGPU(Graphic Processing Unit)サーバーへ伝送します。サーバーに構築した仮想環境で、乃村工藝社が制作したデジタルコンテンツと連動させて、描画処理・物理演算処理をソフトバンクの通信ネットワーク内で実行し、5Gネットワークを介して展示会場へ伝送して表示することで、体験者の動きに合わせてリアルタイムに展示が変化する体験型のデジタルアートを実現しています。

ソフトバンクは、さまざまな業界のデジタルコンテンツ映像の制作や描画処理に対する課題解決に貢献できるように、今後も5GやMECといったセキュアな通信ネットワーク、インタラクション管理システムなどを活用した取り組みを進めていきます。

[注]
  1. Multi-access Edge Computing:端末から近い位置にデータ処理機能を配備することで、通信の最適化や高速化をすることができる技術。

構成イメージ

構成イメージ

展示風景

展示風景

体験イメージ

体験イメージ

デジタルアートについて

人の動作データの活用が織りなす神秘的でユニークな空間を演出した「Immersive Motion」。モーションキャッチによってリアルタイムでインタラクションを体験できる没入型アート作品。コンセプトは、デジタルの世界とリアルの世界をミラーで重ね合わせて体験することです。モニターと鏡を対面に配置して、その空間に入り込んだ体験者を感知、パーソナライズされたアバターが生成され、体験者の骨格、服の色、手を左右に伸ばすなどの動作によって配色などの表現が変化します。鏡に映し出されたアバターと自分自身が重なり、デジタルとリアルが融合した視覚効果とともに、5Gとクラウドレンダリングによる高速処理を実感できます。

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