プレスリリース 2019年

ソフトバンクおよびTBCASoft、
ブロックチェーンによるID情報管理・認証を
推進するワーキンググループをCBSGで発足

2019年2月26日
ソフトバンク株式会社
TBCASoft, Inc.

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)と米国のブロックチェーン技術開発企業であるTBCASoft, Inc.(以下「TBCASoft」)は、ブロックチェーンによるID情報管理・認証を推進するワーキンググループを、通信事業者のグローバル・ブロックチェーン・コンソーシアムであるCarrier Blockchain Study Group(キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ、以下「CBSG」)で発足させましたので、お知らせします。

このワーキンググループの発足に伴い、TBCASoftは新しいアプリケーションフレームワーク基盤「Cross-Carrier Identification System」(以下「CCIS」)を構築しました。通信事業者は、CCISを利用することで、ブロックチェーンを活用したID情報管理や証明書の検証を容易に行うことができます。ソフトバンクとTBCASoftは、CBSGの下でこのワーキンググループの運営をリードし、世界中のCBSGのメンバーと連携し、CCISの有用性を検証していきます。

現在、多くのID情報管理システムは、多数のユーザーを持つ特定の企業などにより管理された中央集権的なデータベースに頼っています。これらのサービスを利用するユーザーは、正確なID認証を行うために、この中央集権的なシステムを提供するプロバイダーを信頼する必要があります。結果として、ユーザーはこの中央集権的なデータベースと連携する無数のサービスプロバイダーに、氏名や住所をはじめとするID情報を開示することになります。一方、CCISはこうした中央集権型サービスと異なり、ブロックチェーンを活用し、通信事業者基準の高い信頼性を持ったコンセンサス(合意形成)の下、それぞれの通信事業者が独立して運用する仕組みです。ゼロ知識証明と分散台帳技術(DLT: Distributed Ledger Technology)により、ユーザーは通常共有したくないであろう個人の詳細な情報を提供することなく、IDの発行・保管・認証ができます。

CCISにより、ユーザーは数えきれないほどのアカウントやパスワードを発行したり、覚えたりする必要がなくなります。また、TBCASoftの技術と通信事業者のデータセンターの堅牢性により、IDなどの盗難による個人情報の流出を防ぎます。企業やユーザーは機密情報を開示することなく、暗号化されたデジタルIDの認証が可能になります。

ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット 技術戦略統括 ITサービス開発本部 本部長の福泉 武史は、次のように述べています。
「ID情報管理・認証は、プライバシー保護の観点から、品質にばらつきのあるデータベースに多くのユーザー名やパスワードを保存するのではなく、暗号化された電子IDが作られるべきだと考えています。CBSGに参加する通信事業者は、ID情報管理・認証においてグローバル規模で非常に重要な役割を担っており、ソフトバンクはTBCASoftと共にこの課題解決に取り組んでいます。私たちは、この答えはCCISにあると考えています」

TBCASoftの創設者 兼 CEOおよびCBSGの共同議長のLing Wuは、次のように述べています。
「これまで取り組んできたキャリア間決済システムの成功に続き、CCISは新しい重要なソリューションになると考えています。CCISは、通信事業者基準の高い信頼性を持ち、不正行為からユーザーのIDを守るグローバルプラットフォームです。TBCASoftは、世界中の通信事業者と連携して、包括的かつ経済合理性のあるブロックチェーンのID認証サービスを、世界中の企業やユーザーに提供することを目指します」

[注]
  • 与えられた情報が真実であることを、それ以外の情報を伝えずに相手に証明する技術

CBSGについて

CBSGは通信事業者向けのブロックチェーン・コンソーシアムとして、世界をリードしています。
TBCASoftやソフトバンク、米国のSprint Corporation、台湾のFar EasTone Telecommunications Co., Ltd.によって、2017年9月に設立されました。CBSGは、コンソーシアムに参加する通信事業者およびそのユーザー向けに、ブロックチェーンを活用した安全な国際送金、清算や決済、個人認証、IoT端末向けアプリケーションなど、今後さまざまなサービスを提供することを目指しています。

TBCASoftについて

TBCASoftは、米国を拠点に、通信事業者に特化した革新的なブロックチェーン技術の開発を行う企業です。TBCASoftが開発したコンソーシアム型のブロックチェーン・プラットフォームにより、通信事業者はより安全、強固かつ効率的な環境で、顧客向けに革新的なサービスを創造することができます。本社所在地は、シリコンバレーの中心地である、カリフォルニア州サニーベールです。詳細はウェブサイトをご参照ください。

  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。