プレスリリース 2008年

国内で初めてNFCケータイを使ったフィールド実証実験を開始
~千葉県の複合型商業施設にて、国際規格に対応した非接触決済の有効性などを検証~

2008年6月16日
ソフトバンクモバイル株式会社
マスターカード・ワールドワイド
ジェムアルト株式会社
株式会社オリエントコーポレーション
サムスン電子株式会社
株式会社日立製作所
日本ヒューレット・パッカード株式会社

ソフトバンクモバイル株式会社(本社:東京都港区、社長:孫 正義)、マスターカード・ワールドワイド(本社:ニューヨーク州パーチェス、在日代表:ダグラス・W・ロレンツ、以下、MasterCard)、ジェムアルト株式会社(本社:アムステルダム、CEO:オリビエ・ピウ、日本法人 社長:ブリニョー・フィリップ、以下、ジェムアルト)、株式会社オリエントコーポレーション(本社:東京都千代田区、社長:西田 宜正)、サムスン電子株式会社(本社:ソウル、CEO:李 潤雨(イ・ユヌ))、株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長:古川 一夫)、日本ヒューレット・パッカード株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:小出 伸一)、の7社は、このたび共同で、「NFC」(Near Field Communication=近距離無線通信)技術を搭載した携帯電話(以下、NFCケータイ)による、国際規格に対応した非接触決済のフィールド実証実験を、2008年6月16日からの4ヶ月間、千葉県内の複合型商業施設にて実施します。これは、国内では初めてのフィールド実証実験となります。

今回の実証実験では、MasterCard® PayPass™アプリケーションを搭載したジェムアルトのNFC-USIMをNFCケータイに差し込みます。買い物を決済する際は、店舗のPOSレジに接続されているPayPass™リーダー/ライターにNFCケータイをかざすだけで、簡単かつスピーディーな決済を実現します。

この実証実験を通じて、世界レベルでのサービス展開を見据え、NFCケータイを活用した支払いの安全性を確保しつつ、処理の簡素化・迅速化を図ることで、お客様の利便性およびサービスプロバイダーの効率性が向上することを検証します。

実験で得られた結果は、今後のNFCケータイ及びサービス開発に反映し、お客様がNFCケータイを活用することで、安全かつ利便性の高いサービスが利用できる環境の提供を目指します。さらに、世界各国のNFCケータイを推進する通信事業者や決済ベンダーなどと協力し、NFCケータイで世界中のどこのお店、交通機関でも利用できるインフラの普及を検討していきます。

NFCケータイによる非接触決済“PayPass™”の実証実験概要

1.目的

NFCケータイによる、国際規格に対応した非接触決済“PayPass™”の実証実験を実際のフィールドで行い、有効性や利用者ニーズ、運用上の課題などを検証し、実験で得られた結果を今後のNFCケータイ及びサービス開発に反映する

2.期間

2008年6月16日(月)から約4ヶ月間

3.場所

千葉県浦安市にある複合型商業施設

4.検証内容

  • NFCケータイを活用した支払いの安全性確認

  • 実運用上での課題検証

  • サービスプロバイダーにおける効率性向上についての検証

5.実験参加

関係者のみ

参考

NFC(Near Field Communication)技術

NFCとは、13.56MHzの周波数を使用した近距離無線通信の規格でISO(国際標準化機構)によって2003年12月に国際規格化されています。NFCチップを搭載している機器同士は、お互いを近づけるだけで、最大424kbpsで双方向通信ができます。

国内では、交通系を中心に普及している「FeliCa」や、海外及び国内の住民基本台帳カード、運転免許証等の公共系カード等で広く普及しているISO14443 TypeA/Bと互換性があります。

NFCの特徴

カード機能
非接触ICカードとして、国内の交通系で普及している「FeliCa」や海外で普及しているISO14443 TypeA(MIFARE)や、国内の公共系で使用されているISO14443 TypeBとの互換性があります。
リーダ・ライタ機能
リーダ・ライタとして、上記の規格に対応したICチップへの読み書きができます。
ハンドオーバー(機器間通信)機能
最初にNFC対応機器同士でハンドオーバー情報をやり取りし、より高速なBluetooth®やWiFiで大容量のデータをやり取りすることができます。例えば、テレビやデジタルカメラにNFCと無線LANが搭載されていれば、デジタルカメラを近づけるだけで撮影した画像をテレビで楽しむことができます。

MasterCard® PayPass™

PayPass™はMasterCardカードに追加することができる、日々の小額の買い物の際に現金に代わる便利でスピーディーな決済機能です。専用端末にPayPassの機能がついたカードやデバイスをかざすだけで決済が完了するので、レジで現金や小銭を取り出す、店員にカードを手渡す、カードを読み取り機に通すなどといった煩雑な手間を省きます。PayPassは現金とは違い履歴や記録を残せることも特徴です。PayPassはスピーディーな決済が必要とされるファーストフード店、ガソリンスタンド、ドラッグストア、自動販売機、映画館、乗車券、スポーツアリーナなどに最適です。

2008年第1四半期現在、世界では2,800万枚以上のPayPassカードやデバイスが利用されており、PayPassが利用できる店舗は10万9,000を超えました。日本を含め、米国やカナダ、イギリス、フランス、イタリア、スイス、スペイン、中国、韓国、台湾など24カ国で実証試験や導入が始まっています。日本では、千葉県浦安市舞浜の複合型商業施設「イクスピアリ」や千葉ロッテマリーンズのホームスタジアム「千葉マリンスタジアム」、伊藤忠エネクスの一部サービスステーション、都内の一部レストランなどで導入されています。

  • * ISO14443:ISO(国際標準化機構)が定める近接型の非接触ICカードの国際標準規格です。
  • * FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
  • * FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
  • * MIFAREはNXPセミコンダクターズの登録商標です。
  • * Bluetoothは米国Bluetooth SIG,Inc.の登録商標です。
  • * その他、本ページに記載されている会社名及び商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
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