プレスリリース(旧ソフトバンクBB) 2004年

800MHz帯におけるIMT-2000周波数割当方針案の実施の差し止めと、新規割当方針案の策定および新規免許申請受付要求訴訟の提起について

2004年10月13日

ソフトバンクBB株式会社(東京都中央区、代表:孫 正義)は、(1)総務省が作成した「800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案」の実施の差し止め、(2)新規割当方針案の策定および新規免許申請受付、を求めて、本日、東京地方裁判所に訴訟を提起するとともに割当行為等の執行停止及び仮処分命令の申立を行いました。
またあわせて、総務省、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社に対し、800MHz帯割当に係る交渉記録保全のため、文書破棄等禁止仮処分の申立てを行いました。

我が国の携帯電話料金は、主要国の中ではもっとも高額となっております。これは行政による電波の割当が極めて不透明かつ不公平に行われており、新規事業者の参入が困難であり、事実上自由な競争が行われていないことに大きな要因があります。
ADSLの料金は、ソフトバンク・グループが参入し自由な価格競争を起こしたことで世界でもっとも安価になりました。また固定電話の基本料金においてもソフトバンク・グループによる安価なサービスが発表されると、ただちに競合企業による同種のサービスが発表されるなど、早くも価格競争が始まっております。

新規事業者が参入し、携帯電話市場において自由な競争が実現すれば、携帯電話料金でも価格破壊を起こすことができると確信しております。
しかし、総務省による、本割当方針案が割当方針として策定された場合、新規事業者が同周波数帯において免許を取得する可能性は平成24年までなくなり、既存事業者による独占が続く結果、新規参入がますます困難になり、またその結果、高額な携帯電話利用料金を払い続ける利用者が不利益を蒙ることになります。

ソフトバンク・グループは、総務省による不透明かつ不公平な電波行政により、自由な競争がこれ以上阻害されることは見過ごすことはできないとの認識から、このたび以下を主な争点とした訴訟を提起いたしました。

総務省による「割当方針案」の発表、割当方針案の決定、およびその実施行為は、免許付与制度の手続きに違反して、違法である。

  1. 1.免許付与の基本方針の手続きに違反していること

    総務省は、適正な比較審査方式に則った審査方法を採用し、新規事業者を含めて広く免許の許諾を行わなければならない義務があるにもかかわらずこれに反して、手続きに違反して、独断決定した違法がある。

  2. 2.周波数帯の公正利用に反した運用の違法性について

    総務省は、特定の企業、MCA等特定の団体の電波利用に対し、特段の配慮を行っている。これらの行為は電波の有効利用、電波利権の徹底的なリストラをうたう政策大綱(平成15年の電波ビジョン)に違反するものであり違法である。

  3. 3.既得権擁護政策ならびに新規参入を排除していることの違法性について

    総務省の割当方針案は本来存在しないはずの既存事業者の既得権益を認め、擁護するものである。またこの方針案には合理的利用の促進や公正な免許付与といった視点は皆無であり、新規参入を完全に排除しており、明らかに電波法の基本理念に反するもので裁量権の適正行使の範囲を超えており違法である。

  4. 4.新規参入を妨害、差別したことの違法性について

    総務省は、既存事業者を恣意的に、かつ不当に優遇し、参入を表明した新規事業者への割当周波数帯を皆無の状態とし免許申請行為を事実上妨害している。また 800MHz帯の割当においては全事業者の参入を認め、計画を公表し参加の機会を広く告知する必要があるにもかかわらず、不透明な決定により既存事業者に独占的に優遇し、新規事業者の参入を実質的に奪い差別したものであり違法である。

以上

  • 発表会見の模様は、弊社ウェブサイト上からオンデマンド配信(http://www.softbankbb.co.jp/exp/other/041013/)でご覧いただけます(Windows Media Player 、上映時間1時間2分)。

(事実経緯)

2GHz帯IMT-2000ガードバンド割当の経緯

2003年10月 ソフトバンクBBより総務大臣宛に2GHz帯ガードバンドの割当を要求
2003年12月~2004年2月 2GHz帯ガードバンドの取扱い方針案に対する意見募集
2004年3月~2004年4月 2GHz帯ガードバンドの取扱い方針案に対する意見募集(2回目)
2004年5月 今後の取扱い方針公表
⇒既存事業者への追加割当の方針(ソフトバンクBBへの割当は却下)

800MHz帯IMT-2000周波数割当の経緯

2004年8月 総務省による「800MHz帯における周波数の割当方針案」公表
2004年8月6日 「800MHz帯における周波数の割当方針案」に対する意見募集開始
2004年9月6日 「800MHz帯における周波数の割当方針案」に対する意見募集〆切
2004年9月6日 ソフトバンクBB意見広告「いま声を上げなければ、この国の携帯電話料金はずっと高いままかもしれません」
2004年9月24日 ソフトバンクBB意見広告「ユーザーの声は、圏外ですか」
2004年9月30日 総務省による「携帯電話用周波数の確保に向けた取組」公表
2004年10月13日 800MHz帯における周波数の割当方針案の実施の差し止めなどを求め提訴
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