お知らせ(旧ソフトバンクBB) 2014年

NTT東西に対する独禁法差止訴訟の判決への見解について

2014年7月3日
ソフトバンクBB株式会社
ソフトバンクテレコム株式会社

ソフトバンクBB株式会社とソフトバンクテレコム株式会社(以下「当社ら」)が、東日本電信電話株式会社および西日本電信電話株式会社(以下「NTT東西」)を被告として、東京地方裁判所に提起していた独禁法に基づく差止請求に対し、2014年6月19日、当社らの訴えが棄却されるという判決が下されました。

しかしながら、同判決で示された電気通信事業法に関する解釈は、電気通信に係る接続の実態を踏まえておらず、また電気通信事業法の規定を逸脱するものであるため、当社らとしては大変遺憾です。以下にその点を記載するとともに、今後、事業者間における接続協議や行政機関での議論の場においても、当社らの主張を引き続き訴えていきます。

判決における電気通信事業法に関する解釈の問題点

本判決においては、以下の理由により独禁法第24条による差止請求は認められないとされました。

  • (1)NTT東西には、電気通信事業法により認可された接続約款以外で接続に応じてはならない義務があり、(認可のないまま)独禁法で接続約款によらない接続をNTT東西に強制すると相互に矛盾する法的義務を課すことになる。
  • (2)具体的な接続条件について協議がまとまらない場合は、民事訴訟ではなく、電気通信事業法上の裁定手続きを経るべきであり、独禁法を根拠として、接続の条件を強制することはできない。裁定に不服がある場合は、行政訴訟に依らざるを得ない。

各問題点における当社らの考え方

(1)について、第一種指定電気通信設備への新たな接続は、これまで電気通信事業法第32条等における接続義務に基づき、NTT東西と事業者間で協議したうえで、NTT東西が総務大臣に接続約款認可申請もしくは協定認可申請を行うという手順で実現してきました。しかしながら、本判決の解釈次第では、新たな第一種指定電気通信設備への接続自体が今後制限されかねないものと考えます。
(2)については、本来裁定は紛争解決の迅速化を図る等のため、司法手続に加えて導入されたものと理解しており、民事訴訟における解決を否定するものではありません。しかしながら、本解釈は、こうした民事訴訟という手段を不当に制限しかねないものと考えます。

なお、本判決については、現在、総務省 情報通信審議会 2020-ICT基盤政策特別部会の中で、あらためて1分岐単位での接続料設定について検討がなされており、その結論が今年11月にとりまとめられる予定となっていることから、当社らは控訴しないことを決定いたしました。

判決文は、当社ら訴訟代理人のCredo(クレド)法律事務所のホームページに掲載しています。