社内コミュニケーションの重要性と強化に向けた課題と対策

2020年10月13日掲載

働き方の多様化が進むにつれて、社内コミュニケーションの大切さが随所で指摘されるようになりました。2020年2月末以降になると新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、リモートワークを導入する動きが進んでいます。そうした中、オンラインでの社内コミュニケーションを活性化させることが多くの企業にとって急務となりました。

社内コミュニケーションが不十分の場合にどんなリスクがあるのか、一方で活性化させることでどのような効果が期待できるのでしょうか。今回は社内コミュニケーションの重要性をあらためて確認しつつ、活性化を図るために解決すべき課題とその対策について考えてみましょう。

目次

社内コミュニケーションが不十分な場合に起こり得る問題とは

まずは、社内コミュニケーションの不足によって、企業に起こりうる問題を見ていきましょう。社内コミュニケーションが不十分な職場では、次のような問題が生じる可能性があります。

従業員のストレス増加

企業には多様な価値観を持った人々が集まり、お互いに理解し合い協力しながら同じ目的に向かって行動しなければなりません。どの部署においても、スムーズに業務を進めるためには、従業員どうしで密接にコミュニケーションを取り、人間関係を深める必要があります。

しかし、従業員どうしのコミュニケーションが日常的に不足している職場では、じっくり話し合う機会がないために上司からの指示の意図が分からない、従業員どうしの情報共有ができないために業務が進めにくいなどの問題が生じ、ストレスが増加しがちです。また、同じ空間で働いていれば、相手が忙しそうなのか余裕があるのかを目で見て確認できますが、リモートワークでは判断できないため、同僚や部下に仕事を頼みづらく、ひとりで抱えてしまうという状況も生じやすくなります。

従業員のモチベーション低下

社内コミュニケーションが不十分だと、上司や同僚から意見を聞いたりアドバイスを受けたりする機会が少なくなるため、スキルアップの機会をなかなか得ることができません。未知の領域にチャレンジして経験を積むチャンスも少なくなり、自分のスキルの範囲内で同じような業務をし続けるという、モチベーションを高めづらい状況に陥りがちです。

また、人間関係が希薄な職場では、当然ながら孤立感を感じやすく、仕事への意欲を持つことが難しくなります。短期間での離職にもつながりやすくなるでしょう。さらに、企業目標や経営陣のメッセージが伝わってこないことも、モチベーション低下の一因になります。

生産性の低下

社内コミュニケーションの不足で情報共有がうまくできていない職場では、現場の状況や業務の進み具合が伝わらず、各所で無駄な動きが生じてしまいます。また、正しく情報伝達がされないといったトラブルも生じがちです。これらの問題は、結果的に企業全体の生産性の低下につながります。
また、トラブルやミス、従業員どうしの連携が取れていない事態が顧客に露呈することで、企業イメージの低下や信頼の損失を招く恐れがあります。ときにはそれらが原因で顧客に迷惑をかけることにもなり、顧客満足度の低下にも繋がります。また、顧客からの要望に迅速に応えられず、せっかくの営業や契約のチャンスを逃してしまうリスクもあるでしょう。

社内コミュニケーション活性化の目的

一方、社内コミュニケーションの活性化に成功した企業は、上記のような社内コミュニケーションの不足によるリスクを回避し、さまざまなメリットを得ることができます。ここでは、企業が社内コミュニケーションを活性化させる目的を確認しておきましょう。

情報共有による業務の効率化

部署内やプロジェクト内でスムーズに情報を共有することができるようになれば、従業員の無駄な動きが減り、業務は効率化します。日々の業務効率化は、生産性の向上にもつながります。

従業員どうしでの交流とそれによるスキルアップ

従業員どうしの交流が盛んになれば、意見交換を重ねて視野を広げる機会や、経験豊富なベテランから若手へとノウハウが引き継がれる機会が増えます。その結果、従業員どうしが自然にスキルを高め合うことになるでしょう。

離職率の低下

社内コミュニケーションが活性化した職場では、人間関係が円滑になり、従業員が働きやすくなります。仕事への意欲が増し、離職率の低下にもつながります。

企業目標やビジョンの共有

企業目標や経営陣が思い描いているビジョンを従業員に伝えることも、社内コミュニケーションの重要な目的のひとつです。ビジョンを理解し、共有することにより、一人一人が企業の目標に向けて努力しやすくなります。

企業イメージの向上

コミュニケーションが活性化すると、チームワークが良くなり、風通しの良い風土が生まれます。積極的にアイデアを発信し、新しいことにチャレンジする従業員が増えると、そうした価値観が企業文化になっていきます。魅力的な社内文化の醸成は、企業のイメージやブランド力の向上につながり、売上増加や有能な人材の確保など、多くのメリットをもたらします。

社内コミュニケーション活性化への課題と解決策

一方、社内コミュニケーションの必要性を感じながらも、なかなか活性化が進まないという企業も多いようです。そこにはどんな課題があるのでしょうか。その課題を確認するとともに、解決策を考えてみましょう。

スムーズに情報共有できる環境が整っていない

対面で話す機会が減るなかで、連絡や報告、情報共有の手段をメールや電話だけに頼っていると、リアルな進捗状況が伝わりにくく、業務が効率的に進まないという問題があります。また、電話は気軽な声かけやあいさつに使うにはハードルが高いため、社内コミュニケーションが希薄になりがちです。

また、メールは電話よりは手軽な連絡手段ですが、あいさつ文や宛名を書いたり、関係者をCCやBCCに加えたりするのに手間がかかる、大量に受信すると見落としやすい、誤送信リスクなどのデメリットもあります。
社内におけるスムーズな情報共有を可能にしてくれるのが、「LINE WORKS」などのチャットツールや「Google Workspace 」のようなグループウェアです。このようなコミュニケーションツールでは、「お世話になります」「お疲れさまです」という定型のあいさつ文や「○○さま」という宛名を省略でき、感謝の気持ちや「承知しました」の意を伝えるだけであれば、スタンプ機能などで手軽に返信できます。メールと違って、プロジェクトごとの進捗状況や発信履歴が確認しやすいのも特長です。

さらに、コミュニケーションツールでは、掲示板、ファイル共有機能やスケジュール、タスク管理機能が備わっていることが多いので、複数の従業員と頻繁にコミュニケーションを取り、情報共有しながら、効率よく業務を進めていくことができます。

上層部や上司と意見交換ができない

従業員が上司に業務の進捗状況を報告し、問題点や課題を相談してアドバイスを得る機会は、従業員の成長のためにも、業務の改善や生産性向上のためにも、なくてはならないものです。しかし、リモートワークが一般化するなかで、上層部や上司と意見交換する機会は、ますます減少しています。

対策としては、定期的に上司との面談の機会を設けることが考えられます。そのときの状況や従業員の働き方によって直接対面で面談できない場合は、「Zoom」「PrimeMeeting」といったWeb会議ツールを活用しましょう。

部署を超えたコミュニケーションが取りにくい

業務内容に合った情報共有ツールを導入すれば、リモートワーク中の従業員どうしで気軽にコミュニケーションを取ることができますが、ほとんどの場合、その範囲は同じ部署や同じプロジェクト内のメンバーに限られます。それでは、同じ企業で働いているにもかかわらず、他部署のメンバーがどんな業務をしているか知らない、めったに顔を合わせず、話したこともないという事態にもなりかねません。

部署の垣根を乗り越えてコミュニケーションを活性化させるには、一歩踏み込んだ工夫が必要です。例えば、Web会議ツールを使ってオンラインランチ会などのイベントを開催したり、グループウェアやコミュニケーションツールなどを使って他部署の業務内容や担当者のプロフィールを紹介するといった方法が考えられます。

会社のビジョンが分かりにくい

全従業員が一丸となって企業目標に向かって突き進んでいくためには、経営陣の将来へのビジョンや考え方を共有する必要があります。しかしながら、経営陣がそれをうまく伝えきれていないケースや、そもそもメッセージを発信する機会をほとんど設けていないケースがしばしば見受けられます。

この問題を解決するには、従業員に分かりやすく情報提供する機会を増やすことが重要です。具体的には、社内報を定期的に配信する、社内イベントを開催して社長や経営陣がメッセージを発信する、経営陣と従業員が交流する機会を設けるといった方法が考えられます。特にリモートワークの従業員が多い職場では、社長のメッセージをウェビナーにして配信したり、Web会議ツールを使って経営陣と社員の面談を行ったりと、オンラインでコミュニケーションを図る工夫が必要です。

気軽にコミュニケーションできる環境整備を

社内コミュニケーションは、社員のモチベーションやエンゲージメント、生産性を左右する重要なものです。働き方の多様化が進み、リモートワークが広がりつつある昨今、企業側が意識的に社内コミュニケーションを活性化させる取り組みをしない限り、コミュニケーション不足はなかなか解消されないでしょう。

現状で自社の社内コミュニケーションに課題があると感じているなら、まずは、従業員どうしが気軽にコミュニケーションを取り合い、スムーズに情報共有できる環境の構築を進めましょう。

現代の職場におけるコミュニケーションには、デジタルツールやICTの活用が欠かせません。ソフトバンクのような専門の企業のサポートを受けることで、課題を的確に解決しながら、より効率的に業務が進む環境を整えることができます。ぜひ選択肢のひとつとして検討してみましょう。

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